G20による貿易制限、新型コロナ受け9割減に

(世界)

国際経済課

2020年11月20日

WTOは11月18日、G20の貿易関連措置に関する第24回モニタリングレポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。それによると、G20諸国が2020年5月中旬から10月中旬にかけて導入した貿易制限的措置(注)は18件だった(添付資料図1参照)。これらの措置の対象となる物品の貿易額は429億ドルで、過去4回のレポートと比べて約9割減と急減した(添付資料図2参照)。

金額急減の最大の要因として、世界貿易の総額自体が、第2四半期に新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響で2割以上縮小したことが挙げられている。また、各国政府が新型コロナへの対応に集中したことや、貿易摩擦の相対的な停滞も背景にある、とWTOは分析している。

WTOはレポートの中で別途、新型コロナへの直接対応として導入された措置(計133件)についても、通常の貿易制限措置とは切り離して分析している。輸出制限を中心とした貿易制限措置は、2020年1月以降1,113億ドル分の貿易額に相当したが、この3割程度は10月中旬までに廃止されたという。なお、医療用品へのアクセス拡大などの緩和措置は1,550億ドル相当と貿易制限のそれを上回り、件数ベースでも133件全体のうち84件(63.2%)と過半数に達した。

事務局長代行の1人であるアガ事務局次長は、レポート発表に当たって、新型コロナからの経済回復に、G20による市場開放や財政・金融支援が果たす役割は大きい、と指摘した。また、景気刺激策が貿易摩擦の種にならないよう透明性と協力を確保すべく、新型コロナ関連の各支援策について、WTO各委員会で議論が進んでいることを強調した。

(注)貿易救済措置、および新型コロナに関連した措置はこの件数に含まない。

(吾郷伊都子)

(世界)

ビジネス短信 019f9b983f1c85bb