7月の産業活動指数、前年同月比13.2%減で回復減速

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年10月06日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月28日、7月の産業活動指数が前年同月比で13.2%減少したと発表した(添付資料図参照)。前月比では1.1%(季節調整済み)の微増にとどまった。新型コロナウイルス感染拡大により、アルゼンチンでは3月20日から外出禁止措置が開始され、4月に大幅な影響を受けた。以降、徐々に回復傾向がみられたが、7月は外出禁止措置が再度強化されたため、再び落ち込んだとみられる。なお、1~7月期では、前年同期比12.6%減となった。

産業別に前年同月比の推移をみると、6月と同様に7月も、電気・ガス・水道(前年同月比4.4%増)と金融仲介業(2.9%増)を除く産業項目全てでマイナスとなった(添付資料表参照)。商業は7月には5.8%減と前月比で悪化した。製造業も6月の5.4%減から7月は8.1%減を記録。建設業は30.1%減となった。建設業は4月と5月(それぞれ74.2%減、50.8%減)に大幅な落ち込みを見せた後、6月は30.7%減まで回復しており、7月はわずかながらも改善した。農業・牧畜・狩猟・林業は6月の10.1%減から7月は4.8%減まで回復した。漁業は7月に67.1%減(6月は52.8%減)となり、最も落ち込んだ。次いで落ち込んだのは、ホテル・レストラン産業で、65.4%減。6月の61.9%減から再び悪化した。

9月28日付の現地紙「iプロフェッショナル」によると、複数のエコノミストらは「8月は改善する」と見通している。要因は「徐々に経済活動が再開したため」とするが、その一方で「消費が同じように回復していない」とも指摘している。また、新型コロナウイルス感染拡大が地方州などで悪化しているため(2020年9月24日記事参照)、「回復は限定的」となる可能性もあるとしている。「iプロフェッショナル」によると、特に悪化が懸念されるのはホテル・レストラン産業で、外出禁止措置の開始から最も雇用が落ち込んだ産業だ。2019年7月と比較し、同産業に携わる企業数は8.6%減少したとされる。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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