第2四半期、再エネ発電量のシェア拡大、総発電量の44.6%

(英国)

ロンドン発

2020年10月01日

英国政府は9月24日、2020年第2四半期(4~6月)のエネルギー統計を発表した。それによると、同期の再生可能エネルギーの発電量が総発電量〔67.5テラワット時(TWh)〕に占める割合は、前年同期比9.0ポイント増の44.6%となり(添付資料図参照)、第1四半期(1~3月)に記録した47.8%に次いで高い割合となった。

2020年第2四半期の再生可能エネルギーの発電量は30.1TWhで、前年同期の27.0TWhから11.5%増加した。また、低炭素発電(原子力と再生可能エネルギー)のシェアは前年同期から約9ポイント増え、62%を超えた。再生可能エネルギーの伸びが要因となっており、特に洋上風力(前年同期比30.9%増)が大きく伸びた。なお、2020年第2四半期の電力需要は前年同期比11.7%減の72.0TWhとなった。

エネルギー関連の業界団体のリニューアブルUKのメラニー・オン副最高責任者は、今回の統計について「第2四半期の数字は新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン下でも脱炭素化が進んでいることを示している」とし、「2050年までの(温室効果ガスの)純排出ゼロ(注)達成のため、気候変動に対し行動を起こしていく中で、再生可能エネルギー部門は今後10年間や、それ以降の大規模な経済成長の原動力となる」と述べた。

国連は12月12日に世界気候サミット開催へ

国連は9月23日、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の採択から5年の節目を迎える2020年12月12日に、英国と共同して世界気候サミットを開催することを発表した。開催の狙いは、各国の熱意を結集させ、さらなる気候変動対策を呼び掛けることにより、各国政府に、より野心的で高水準の気候計画、新型コロナウイルスからの回復計画、新たな財政的取り決め、地球温暖化による平均気温上昇を1.5度に制限するための措置の提示を促すことだ。

国連は同サミットを「グラスゴーに向けたラストスパート」と形容し、「新型コロナ禍」のため2021年11月に延期された(2020年6月8日記事参照)国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26、開催地:英国グラスゴー)を念頭に、同会議議長国の英国と議論を喚起する考え。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「気候変動への危機は迫ってきており、無駄にする時間はない。存在する危機への答えは、迅速で決定的かつ大規模な行動と国家間の連携だ」と述べた。

(注)人間の活動によって排出される温室効果ガス(GHG)の量を森林などで吸収されるレベルにまで抑えること。

(宮口祐貴)

(英国)

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