新型コロナ感染者数が40万人超え、回復率は約80%に

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年10月28日

バングラデシュでは10月26日、新型コロナウイルスの累計感染確認者数が40万251人と、40万人を超えた。累計回復者数は同日に31万6,516人となり、回復率は約8割に達した。一方、合計死者数は5,818人で、1日当たり20~50人程度の死者が確認されている。バングラデシュ伝染病研究所(IEDCR)によると、地域別では、ダッカ市での感染者が全体の28%と最も多く、中でもベッドタウンの市西部のミルプールの感染者数が多い。年代別では、21~40歳の感染者が全体の54.7%と半数以上を占める一方、死者は51歳以上が全体の約7割を占める。

保健省によると10月26日時点で、新型コロナウイルス患者受け入れ病院の一般病床数4,567床のうち、2,028床が利用されている(空床率55.5%)。一方、集中治療室(ICU)は377床のうち、221床が利用中だ(空床率41.3%)。

1日当たりの検査数は7月以降、日によって変動があるものの、おおむね9,000~1万6,000件程度、陽性者数は9月8日以降1日当たり1,000~2,000人程度で推移している。検査の陽性率は低下傾向にあり、9月6日以降は10%台前半で推移している。累計感染者数の推移をみると、25万人から5万人増加し30万人に至るまで19日間(8月7~25日)、30万人から35万人に至るまで27日間(8月25日~9月20日)、今回の35万人から40万人に達するまでは37日間(9月20日~10月26日)と、感染拡大のペースは鈍化している。

行動規制については、緩和措置(2020年9月8日記事参照)が継続されているものの、11月以降は気温が低下するため、政府は感染拡大に対する危機感を強めている。現地報道によると、政府は第2波を予防するため全ての政府機関や企業、小売店、モスクなどに対し、現在講じられているマスク着用の措置を徹底するよう要請している。

日系企業は6割が完全再稼働

ダッカ日本商工会の調査によると、9月末時点で約6割の会員企業は完全に稼働しており、残りの約4割は、一部稼働再開している状況だ。しかし、依然として日本から遠隔で、事業運営や従業員の感染防止対策に取り組む企業も少なくない。一方、日本に一時退避した駐在員がマレーシアや中東(ドバイ、ドーハ)経由で再渡航する事例も徐々にみられるようになってきた。

(山田和則、安藤裕二)

(バングラデシュ)

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