EUとユーロ圏の8月の失業率、ともに前月比0.1ポイント悪化

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2020年10月07日

EU統計局(ユーロスタット)の10月1日の発表によると、8月のEU27カ国全体とユーロ圏19カ国の失業率(季節調整済み)は、前月からともに0.1ポイント悪化し、それぞれ7.4%、8.1%となった(添付資料表参照)。EUとユーロ圏はともに5カ月連続して失業率が悪化した。失業者数は前月比でEU全体で23万8,000人増、ユーロ圏では25万1,000人増となった。

8月の失業率を加盟国別にみると、チェコが2.7%と最も低く、スペインが16.2%と最も高かった(ただし、最新データが未発表のギリシャは6月時点で18.3%)。失業率が7月から0.5ポイント以上悪化した加盟国はリトアニア(0.6ポイント増)とキプロス(0.5ポイント増)だった。

ユーロスタットによると、新型コロナウイルスに関連した制限措置を受けて、3月以降は引き続き失業手当の申請件数が急激に増加している(注)。

EU27カ国の8月の若年層の失業者数は303万2,000人で、このうち246万人がユーロ圏19カ国の失業者だった。若年層の失業者数の変化を前月比でみると、EU27カ国全体では6万4,000人、ユーロ圏では6万9,000人の増加となった。加盟国別に見ると、スペイン(55万5,000人、若年層失業率43.9%)、フランス(53万2,000人、同19.8%)、イタリア(46万9,000人、同32.1%)が引き続き大部分を占めた。スペインとイタリアでは、若年層失業率が前月からそれぞれ2.2ポイント、0.3ポイント悪化したものの、フランスでは前月比で0.4ポイント改善した。若年層失業率が最も低かったのはドイツ(5.8%)、最も高かったのはスペインだった。

(注)「新型コロナ危機」がEU労働市場に及ぼした影響の詳細は、四半期ごとに公表される「労働力調査(LFS)」も参照(2020年7月14日記事参照)。2020年第2四半期(4~6月)のLFSは10月8日に発表予定。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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