北京モーターショー2020、新ブランド車が注目を集める

(中国)

北京発

2020年10月02日

北京モーターショー2020(第16回北京国際汽車展覧会/Auto China 2020外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が9月26日に開幕した。「智領未来(未来に向けたスマート・ビークル)」をテーマとし、北京市内の中国国際展覧中心において10日間にわたり、未来の車社会を予感させるさまざまな新型車の展示が行われている(添付資料参照)。

日系メーカーでは、日産自動車が新型電気自動車(EV)を中国初出展、ホンダがEVのコンセプトカーを世界初公開し、注目を集めたほか、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)や米国フォードなど各社もEVを披露した。日系ではさらに、トヨタ自動車がハイブリッド車(HV)に加え、自動運転のEV交通システムや燃料電池車を展示し、スバル、マツダ、三菱自動車、レクサスやアキュラなど各社・各ブランドも出展した。

世界各国の有名メーカーがしのぎを削る中、目を引いたのが中国自動車メーカーなどによる新ブランドだ。北京汽車集団(BAIC)は、2019年10月から展開している新ブランド「BEIJING」のコンセプトカー「RADIANCE」を初公開したほか、同ブランドの純電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)を展示、また同社の高級ブランド「ARCFOX」の出展を行った。

東風汽車集団傘下の高級車新ブランド「嵐図(VOYAH)」ブースでは、2020年に発表されたEVコンセプトカー「i-LAND」の展示のほか、自動運転車のコンセプト展示が行われた。

2016年に設立され、2018年に新型車の発表を日本で行い話題となった、ボルボを傘下に持つ浙江吉利控股集団によるブランド「Lynk & Co」ブースでは、同社ラインナップのHVやPHV、また高級EVのコンセプト展示が行われ、多くの参観者でにぎわっていた。

独立系EVメーカー上海蔚来汽車(NIO)のブースでは、同社のスポーツカーやEVに加え、同社が世界各国の有名デザイナーとコラボして制作した、ライフスタイル関連商品の展示も目に付いた。同社では会員向けに展開するアプリ上でも、これらの商品を販売している。また、他の新高級車ブランドや、紅旗など従来からある高級車ブランドのブースにおいても、それぞれのブランドごとにライフスタイル商品を紹介し、自社ブランドのファンのロイヤリティ向上に努めている様子がうかがえる。

上記のほか、華為技術(ファーウェイ)ブースでは、自動運転技術や車載ディスプレー製品の紹介が行われるなど、自動車関連サービスや商品の展示も一部で行われている。いずれも自動車業界の進歩を考える上では興味深いもので、中国における自動車業界の今後が注目される。

本展示会は、もともと2020年4月に開催の予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期され、今回の開催となった。新型コロナウイルスが世界的にまん延した3月以降では、世界的にみても初の大型モーターショーの開催になった。新型コロナウイルス対策のため、入場は身分証などの実名登録による完全予約制となり、毎日午前・午後に参観時間を分けて入場数をコントロール、来場者にはマスク着用が求められたほか、入り口で検温が行われた。

(草場歩、唐澤和之)

(中国)

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