東部経済回廊(EEC)政策委、3つの新規事業の実現可能性調査を承認

(タイ)

バンコク発

2020年10月09日

プラユット首相が委員長を務める東部経済回廊(EEC)政策委員会は10月5日、3つの新たな開発プロジェクトの実現可能性調査について承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。タイの競争力強化および各地域開発プロジェクト間の接続性を改善することが狙い。プロジェクトの予算総額は約1兆バーツ(約3兆3,000億円、1バーツ=約3.3円)。3つの事業はドライポート事業、ランドブリッジ事業、タイブリッジ事業で、その概要は以下のとおり。

(1)ドライポート(内陸港)事業:レムチャバン港と、ラオス、カンボジア、ミャンマー、ベトナム、中国の各国に設置されているドライポートとの接続を目的とした、コンケン、ナコンラチァシマ、チャチュンサオ3県のドライポート開発を指す。投資予定額は240億バーツ。チャチュンサオの実現可能性調査を2021年までに、コンケンおよびナコンラチャシマ両県の調査を2022年に完了する予定。同委員会は、3カ所のドライポートが稼働すれば、レムチャバン港に年間約200万コンテナの追加貨物需要をもたらすと試算する。

(2)ランドブリッジ事業:南部タイ湾側のチュンポーン県とアンダマン海側のラノーン県を高速道路(モーターウェイ)および複線の鉄道で結ぶ計画。併せて、チュンポーン県の新規港開発およびラノーン港の拡張工事も行われる(2020年9月25日記事参照)。ランドブリッジが機能することにより、混雑するマラッカ海峡を通過する必要がなく、貨物の輸送コスト低下が見込まれる。

(3)タイブリッジ事業:タイ湾を横断する大型架橋の建設だ。バンコクを通らない新たな貨物ルート建設を目的とし、東部チョンブリ県と西部ペチャブリ県を全長80~100キロの大型架橋で結ぶ。建設期間は10年から15年を見込み、2032年ごろに開通の予定。また、4車線の道路を整備することにより、EECと南部経済回廊(SEC)を接続させる構想もあり、観光の促進や輸送コストの低下をも見込む。

これら案件については、近日中に閣議で承認される見込み。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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