雇用パス申請をESDシステムに一本化

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年10月14日

マレーシア投資開発庁(MIDA)は10月7日、MIDAから外国人就労枠を取得している企業による外国人駐在員の雇用パスの申請について、入国管理局外国人サービス部門(ESD)が運営するオンラインシステム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、ESDシステム)による申請に一本化する手順に関する説明会を開催した。ESDシステムへの統合は9月1日にさかのぼって実施される。

外国人駐在員が取得する一般的な査証には、長期滞在・就労のための雇用パス(EP)と、短期就労(機械設置や修理など)のためのプロフェッショナル・ビジット・パス(PVP)の2種類がある。EPの取得に当たっては、従来は業種によって申請先が異なり、PVPはESDを通じて申請する。

製造業や一部のインセンティブ取得企業、駐在員事務所はMIDAから外国人就労枠を取得し、MIDA内に常駐する入国管理局の窓口でEPを申請するという手順だったが、9月1日以降はMIDAから就労枠を取得後、ESDシステムを利用してEPの申請を行うことになる。キーポストなどの外国人就労枠については、MIDAが承認した数がESDシステムで申請するEPの上限となる。

これまでESDシステムを利用したことがない企業は、まずESDシステムへの企業登録が必要となる。企業登録はシステムへの企業情報の登録だけでなく、取締役が署名した確約証(Letter of Undertaking)をESDの窓口に提出する手続きがあるため、現時点でEP申請の予定がなくても、早めに完了することが奨励される。製造業でPVPを申請したことがある場合は、既に企業登録が完了しているはずなので、確認しておくとよい。

今回の措置は、ESDにおいて全ての外国人駐在員の情報を総合的に把握・管理し、手続きを透明化することを目的としているという。ESDシステムは、会社登記所(SSM)と歳入庁(IRB)が管理するシステムと既に統合されており、EP申請企業の登記情報や個人所得税の支払い状況などを確認できるようになっている。また、IT関連企業はマレーシアデジタルエコノミー公社(MDEC)が申請先となっているが、MDECの申請システムも既にESDシステムと統合済みだという。

(田中麻理)

(マレーシア)

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