エアコンの輸入承認手続きに遅れ、日系企業に影響

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年10月20日

ジェトロなどに10月15日までに寄せられた相談などから、インドネシアでエアコンの輸入に必要な商業省の輸入承認の取得手続きが進まず、複数の日系企業が問題を抱えていることが明らかになった。エアコンの輸入手続きは8月に改正されていた。

インドネシア政府は特定物品の輸入規制に関する商業大臣規程を改正した(2020年9月4日記事参照)。旧規程では、エアコンを輸入できるのは輸入ライセンス(API)保有者と定め、輸出国での船積み前検査を義務付けていたが、新規程の商業大臣規程2020年第68号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、輸入手続きを厳格化した。これにより、エアコンを輸入できるのは一般輸入ライセンス(API-U)保有者に限定され、事前に商業省へオンライン(INATRADE)申請手続きと、輸入承認の取得が義務付けられた。船積み前検査も引き続き必要だ。

新規程は8月28日に施行されたが、商業省が輸入承認の手続きに時間を要していることから、新規程に従って手続きを行った企業はいまだに輸入承認を取得できていない。こうした状況に対し、商業省は新規程の一部を改正する商業大臣規程2020年78号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布、10月1日までに輸出港で船積みされた貨物について、新規程の適用対象としないとの例外規定を盛り込み、10月11日から施行した。しかし、企業関係者によると、商業省からの輸入承認が取れない状況で貨物の船積みを行うことはないため、この例外規定の適用を受けられる対象の貨物は見当たらないという。

現地の日系企業からは、現状のままエアコンが輸入できない状況が長引けば、日系のエアコンメーカーだけでなく、販売会社や据え付け会社のインドネシアの中小企業へも悪影響が及ぶほか、エアコンが納入できなければ建設工事が完了できず、建設業など他の業界にも打撃を与えかねないなどといった声が出ている。在インドネシア日本大使館や、ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)、ジェトロがこの問題を解決すべく、商業省への働きかけを始めている。

(佐々木新平)

(インドネシア)

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