2019年の反政府デモから1年を記念し大規模デモ

(チリ)

サンティアゴ発

2020年10月21日

チリの首都サンティアゴのバケダノ広場で10月18日、2019年10月18日に勃発した反政府デモから1年を記念した大規模なデモが行われた。2020年10月19日付「ラ・テルセラ」紙によると、デモは18日午前11時から同広場において始まり、午後6時には2万5,000人以上が集結し、周辺の道路や地下鉄の駅が閉鎖された。集まった人々の大半は平和的にデモを行ったが、一部の過激な集団により教会への放火や、スーパーマーケットや商店での略奪が行われた。新型コロナウイルスが国内で猛威を振るった影響から、一時収束していた反政府デモだが、首都圏州を中心とした感染者の減少、地域ごとの段階的な外出規制の緩和、そして新憲法制定の是非を問う国民投票(2020年10月7日記事参照)が10月25日に迫る中で、デモの機運が再燃している。

治安維持部隊による人権侵害の苦情相次ぐ

過激なデモ活動が行われる一方で、それを取り締まる警察や軍の対応についての非難が強まっている。チリ国立人権研究所(INDH)は、デモ活動が盛んだった2019年10月18日から2020年3月18日までの5カ月間で、デモ隊と治安維持部隊との衝突時に、チリ警察や軍によって引き起こされた人権侵害に相当する被害報告を2,520件受理したと発表した。うち主な苦情は、職権乱用(1,730件)、拷問(460件)、過度な暴力(101件)、殺人未遂(35件)となっており、INDHだけでなく、国際的な人権擁護団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)などの機関からも、チリの治安統制の在り方を疑問視する声が上がっていた。

直近では、10月2日にバケダノ広場付近において、治安維持部隊とデモ隊が衝突し、デモ隊の16歳の少年が川に転落するという事件が発生した。付近の監視カメラの映像により、治安維持部隊の一員が、少年を川へ突き落とした殺人未遂の容疑で仮拘束されている。この事件がきっかけとなり、チリ警察を糾弾する声はさらに強まり、過激な集団による警察署襲撃や、警察を所管するビクトル・ペレス内相の責任追及騒動にまで発展している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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