アリババ、約280億香港ドルで小売り大手のサンアートを買収

(中国)

上海発

2020年10月21日

電子商取引(EC)大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)は10月19日、同グループ傘下の子会社を通じて、香港上場の小売り大手の高鑫零售(サンアート・リテール)の約51%の株式を取得〔約280億香港ドル(約3,920億円、1香港ドル=約14円)〕、サンアートを傘下に収めると発表した。アリババ・グループの出資比率は、2017年11月の出資と今回の出資を合わせて持ち株比率が約72%となり、今後、残りの発行済み株式も取得するという。

サンアート・リテールは、フランス系小売りブランド「欧尚(オーシャン)」と台湾系小売りブランド「大潤発(RTマート)」を傘下に中国全土で展開しており、2020年6月末時点で大型スーパーマーケット481店舗および中型スーパーマーケット3店舗を運営している。同社は、「新型コロナウイルス禍」でも、1~6月の売上高が前年同期比5.1%増、純利益も15.4%増と業績は好調だ。

今回の株式の取得についてアリババ・グループは、サンアートとの提携で、顧客満足度をさらに向上させ、実店舗とオンラインを一体化させた「ニューリテール戦略」のさらなる強化につなげる。アリババ・グループは、2014年に百貨店などを運営する小売企業の銀泰商業への出資を皮切りに、その後、大手家電量販店の蘇寧易購、上海市最大の小売りグループ「百聯集団」などとも提携し、物流、データ、技術などを活用するニューリテール戦略の確立を加速させている。

(劉元森)

(中国)

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