CEATEC 2020、リアルに劣らないオンライン開催、世界中からスタートアップが参加

(日本)

国際経済課

2020年10月28日

イノベーションで新しい市場を創生する次世代型展示会のCEATEC 2020 ONLINE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(会期:10月20~23日)がオンラインで開催された。

オンラインの特徴を生かした展示会へ

開催21年目を迎えた今回は、テーマを「ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC」とし、ニューノーマル社会の多様なソリューションやテクノロジーを広く発信。CEATEC実施協議会は、会期中の登録来場者数は8万5,650人、延べ来場者数は13万人を超えたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新型コロナウイルスの影響から完全オンラインでの開催となったが、「リアル」展示会に劣らないさまざまな工夫がなされた。まず、会場内をオンライン上で歩ける「CEATEC GO」機能が追加された。出展企業の展示バナーがランダムに表示され、クリックすると詳細がわかる。出展者とのチャットも可能だ。人工知能(AI)による同時通訳字幕が導入され、英語での発信も行われた。会期中は70以上のカンファレンスが開催され、会期終了後もオンデマンドでの視聴が可能となる(12月31日まで)。

躍進する日本のスタートアップ

会期中の2日間、CEATECオフィシャルパートナーであるPlug and Play(米国のインキュベーター)がピッチイベント「Co-Creation Park Startup Stage外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。ジェトロが設置するJETRO Global Connection(注)に出展する海外スタートアップPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)も多数参加し、約60のスタートアップが各国からライブで登壇した。

このイベントでは視聴者が投票することができ、優勝スタートアップにはCEATEC2021のスタートアップブースが付与される。今年はEmpath、WeWALK、EMOL、Mindifyの4社が選出された(発表順)。

Empath外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(日本):前年に続き2年連続の受賞。同社は人の声から感情を解析するAIを開発しており、コールセンターや、ロボティクス、モビリティーなどさまざまなビジネス領域で活用されている。政府が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラムJ-Startup外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのメンバーでもあり、既に世界50カ国、2,400社以上で利用されている。

WeWALK外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(トルコ):視覚障害者向けのスマート白杖(はくじょう)を開発しており、センサーで障害物を検知したり、スマホと連携してナビゲーションを行ったりと、目の不自由な人が安心して歩くサポートを行う。これまで、TIME 誌ベスト・イノベ―ション2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなど数多くの受賞歴がある。

EMOL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(日本):感情を記録してAIロボと会話するアプリを開発する。臨床心理士の協力の下、ユーザーの悩みや体調などメンタルケアに関する会話を分析し、患者のメンタルをより良い状態へ導けるようにサポートしている。

Mindify外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ブラジル):AIを利用したウェブフォームで、電子医療記録(EMR)の簡素化や効率化を図るシステムを提供するスタートアップ。より正確な診断や治療法を提案すると同時に、患者や医療チームにリアルタイムでフィードバックが可能となる。

(注)JETRO Global Connectionは、オープンイノベーションに取り組む日本企業と海外企業などの協業を支援する枠組みであり、2017年からCEATECに出展。Co-Creation Park Startup Stageで選出された2社(WeWALK、Mindify)を含む海外スタートアップ45社とオンラインで面談する機会をCEATEC会期後も延長して設けている。〔問い合わせ先:イノベーション促進課(iid@jetro.go.jp外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)〕

(伊尾木智子)

(日本)

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