総額10億ユーロの中小企業向け国家補助を発表

(ルーマニア)

ブカレスト発

2020年10月23日

ルーマニアのマルチェル・ボロシ欧州基金相およびビルジル・ポペスク経済・エネルギー・ビジネス環境相は10月8日、「国家再建プロジェクト」の一環として、総額10億ユーロ規模の中小企業向けの国家補助に正式署名した。同制度は、欧州地域開発基金をベースとした「競争力運用プログラム2014~2020」を通じて実施される。ルーマニア国内に登記する中小・零細企業に対して、以下の3種類の補助金が提供される。条件を満たせば、進出外国企業も補助金申請の対象となるが、少なくともルーマニアで1年以上活動していることを証明する必要がある。

  1. 小口補助金(1億ユーロ):2019年末時点で従業員を持たない中小・零細企業、経済活動を行う個人事業主や民間団体、個人営業の医師に対して、1企業当たり2,000ユーロを補助する。1億ユーロの予算のうち8,500万ユーロは欧州基金、残り1,500万ユーロは政府予算から拠出される。申請期限は10月21日までだが、申請数によっては延長される可能性もある。
  2. 運転資金補助金(3億5,000万ユーロ):レストラン、ホテル、カフェ、食品関係企業、輸送サービス、旅行代理店、出版社、書店、図書館、クリエイティブ産業、イベント業、教育関連企業などが対象。1件当たりの補助金は2019年の売上高により異なるが、最大15万ユーロまで提供される。ただし、補助金申請額の15%は企業の自己負担となる。予算の内訳は、2億6,500万ユーロが償還不要の欧州基金、4,250万ユーロが政府予算、4,250万ユーロが企業の自己負担枠。申請期間は10月22日から28日まで(ただし延長される可能性あり)。
  3. 投資補助金(5億5,000万ユーロ):既存の生産・サービス能力の拡大、新拠点設立や近代化のため、1企業当たり5万~20万ユーロまで申請が可能。ただし、補助金申請額の15~50%は企業の自己負担となる。対象分野は食品、自動車、建設、輸送、観光、エネルギー、医療、貿易、教育など。予算の内訳は、4億1587万ユーロが欧州基金、6,238万ユーロが国家予算からの協調融資、7,175万ユーロが企業の自己負担枠。申請期間は11月1日から8日までの予定。

なお、申請には統一プラットフォームの「IMM Recover外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に登録する必要がある。

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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