ジョージア州ではトランプ大統領とバイデン氏ほぼ互角、米大統領選世論調査

(米国)

米州課

2020年10月22日

米国マサチューセッツ州のエマーソン大学は10月19日、11月の大統領選挙での激戦が予想されるジョージア州で実施した世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。大統領選の支持率で、共和党候補のドナルド・トランプ大統領が48%、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が47%と、ほぼ互角の結果になった(注2)。

トランプ大統領支持者の68%が「非常に熱心に支持する」と回答した一方、バイデン氏支持者による同様の回答は49%にとどまった。世論調査を担当する同大学のスペンサー・キンボール教授は「大統領選まで残り2週間となる中、トランプ大統領は2016年選挙時と比べ、支持率を落としているが、接戦となっている上院選や支持者の熱狂が、トランプ大統領に有利に働くかもしれない」と、情勢を分析した。なお、2016年の大統領選では、ジョージア州の得票率で、トランプ大統領(51%)が民主党候補のヒラリー・クリントン氏(46%)を5ポイント上回った。

トランプ大統領の大統領としての支持率は、「支持」が49%、「不支持」が48%だった。大統領選で最も重視する争点は、「経済」が36%で1位となった。次いで「新型コロナウイルス対応」(18%)、「社会的正義」(15%)、ヘルスケア(14%)、「気候変動」(4%)、「最高裁判事指名」(4%)だった。

投票状況について聞いたところ、31%が「既に投票した」と回答した。「郵便投票または早期投票(注3)する」は30%、「選挙日に投票する」は38%だった。支持候補別にみると、トランプ大統領支持者の71%が選挙当日の投票を予定する一方、バイデン氏支持者の65%は既に投票済みだ。「ワシントン・ポスト」紙電子版(10月21日)によると、ジョージア州では、既に190万人が郵便投票や早期投票により投票を済ませている。

中西部アイオワ州でもトランプ大統領がわずかにリード

エマーソン大学は10月21日、アイオワ州の世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注4)も発表した。同州でもトランプ大統領(48%)がバイデン氏(46%)をわずかにリードしている。アイオワ州含む中西部では、新型コロナウイルスの感染拡大が再び深刻化しており、アイオワ州では10月21日に、1日の死者数がこれまでで最も多い31人となった。同調査では、アイオワ州の有権者の45%が、新型コロナウイルスを「公衆衛生上の重大な脅威」と回答した。同回答者のうち85%がバイデン氏を支持している。同大学のキンボール教授は「新型コロナウイルス感染症に対する脅威認識は、有権者が誰に投票するかに大きな影響を与え、感染拡大の趨勢が大統領選の結果を左右する」との見方を示した。

(注1)調査実施時期は10月17~19日。対象者はジョージア州の有権者506人。

(注2)リアル・クリア・ポリティクスの10月13~20日の全米世論調査平均値では、トランプ大統領の支持率は43.1%、バイデン氏は50.6%。

(注3)実施されない州もあるが、選挙日前の早期に公共の場で投票できる制度。

(注4)調査実施時期は10月19~21日。対象者はアイオワ州の有権者435人。

(甲斐野裕之)

(米国)

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