日本ブランドによる新たな日用品小売店が開業

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年10月30日

サウジアラビアで10月29日、リヤド市北部に日本ブランドの新たな日用品小売店舗が開業した。大阪に本社を構えるワッツが、東南アジアを中心に海外展開を進める「KOMONOYA」のサウジアラビア1号店だ。進出形態はフランチャイズで、地元のアル・ジュナイフィが店舗の運営を担う。日本の小売りブランドでは、「DAISO」と「MUJI」が既にサウジアラビアで店舗展開を行っているが、近年は中国企業ながら「ジャパン」を売りにした日用品を販売するブランド「MINISO」も、現地で店舗数を急拡大している。消費者が好意的な印象を抱く「ジャパン(日本)」を意識した日用品小売店の競争は、当地で激化の様相をみせている。新店舗の開業に際し、同29日、ワリード・アルナジェム社長に話を聞いた。

(問)新店舗の概要は。

(答)売り場総面積は800平方メートルで、一部が2階建て。入り口には日本を感じさせる鳥居を設置し、広めの店内に日用品、生活雑貨、玩具など3,400アイテムをそろえている。売り場の特徴は、日本製の商品を数多く取りそろえていること。全体の4割以上を占める。品質が良いとサウジの消費者が好むことがその理由だ。価格は主に6.9リヤル(約193円、1リヤル=約28円)と9.6リヤルの2本立て。運営スタッフは8人で、全てサウジアラビア人。うち6人は女性だ。

(問)今後のビジネス展開は。

(答)サウジアラビア国内で、まずは36店舗の展開を目指す。初年度の売り上げ目標は100万ドル。3年後には3,700万ドルを目標にしている。ワッツは2万アイテムを超える製品リストを持っているため、売れ筋を見極めつつ、新たなアイテムを次々、売り場に投入していきたい。

売り場を歩いてみると、食器や台所用品、日用品に加え、他の類似店舗ではあまり見られない、ばんそうこうや食器洗い洗剤、クレンザー、消臭剤など、日本製の商品が多数並んでいた。開業を聞きつけ、早速来店した日本人駐在員の家族からは「日本製の食品ラップを扱っていることが何より嬉しい」との声も聞かれた。

2020年7月の付加価値税(VAT)引き上げ(2020年5月12日記事参照)の影響もあり、消費者は価格と品質のバランスに、より敏感になっている。日本ブランドの日用品がサウジアラビアの消費者に強く支持され続けるのか、今後も注目される。

写真 店舗の外観(ジェトロ撮影)

店舗の外観(ジェトロ撮影)

写真 店内の様子(ジェトロ撮影)

店内の様子(ジェトロ撮影)

(庄秀輝)

(サウジアラビア)

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