国慶節の大型連休、観光客数が前年の約8割まで回復

(中国)

北京発

2020年10月16日

中国文化旅游部の推計によると、国慶節と中秋節の大型連休期間(10月1~8日の8日間)の全国の国内観光客は延べ6億3,700万人と、前年同期の79%の水準に回復した(注)。国内観光収入は4,665億6,000万元(約7兆4,650億円、1元=約16円)となり、前年同期の69.9%だった。

交通運輸部の統計では、同じ期間の全国の鉄道、道路、水路、航空の1日当たり旅客輸送量は延べ6,211万5,000人、そのうち10月1日の国慶節当日の輸送量は延べ6,586万2,300人と、新型コロナウイルスの流行以降で最高を記録した。

新型コロナウイルス感染症の影響で海外旅行が厳しく制限される一方、中国国内の新規感染者数は約2カ月近く発生していなかったことなどを背景に、各地方政府が観光促進策などを積極的に実施したこともあり、国内旅行は活況となった。

人気の観光地である北京市の観光客は前年同期と比べて8.4%増の延べ998万2,000人、観光収入は2.9%増の115億元と好調だ。国内で感染者が最も多く発生した武漢市は、観光地での入場者数の制限の下で受け入れた観光客数が延べ1,817万5,300人、観光収入は89億8,400万元となり、それぞれ前年同期の約8割、約7割の水準に回復した。7月1日から免税品の対象や購入額の上限が拡大された人気リゾート地の海南島では、10月1~8日の免税店売上高が10億4,000万元と前年同期の約2.5倍となった。

今回の大型連休では、1995年以降に生まれた若年層が観光客全体の30%を占めて主力となった。また、3級以下の地方都市からの観光客が全体の6割を占めた(「新京報」10月9日)という。国務院発展研究中心市場経済研究所の任興洲研究員は、大型連休期間の消費の盛り上がりは中国経済の回復を反映したもので、新型コロナウイルス感染の予防・抑制対策の実施が常態化するなか、中国経済は強い成長力を示したとコメントしている(「人民日報海外版」10月11日)。

(注)前年の国慶節期間とは休暇日数が異なるため、単純比較にはなっていない。

(張敏)

(中国)

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