太平洋諸国経済緊密化協定(PACER Plus)、60日後に発効へ

(ニュージーランド、オーストラリア、オセアニア)

シドニー発

2020年10月16日

ニュージーランド政府は10月15日、太平洋諸国経済緊密化協定(Pacific Agreement on Closer Economic Relations:PACER Plus)が60日後に発効すると発表した。クック諸島が国内手続きを終え、発効の条件となる8カ国の批准が完了した。

PACER Plusは、太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国による貿易と経済に関する統合協定で、雇用の創造、生活水準の向上、太平洋地域の持続可能な経済開発の促進を目的とする。交渉は2009年8月に開始し、2017年4月に終結して、同年6月に11カ国(オーストラリア、クック諸島、キリバス、ナウル、ニュージーランド、ニウエ、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ)が署名した。その後、2018年10月にニュージーランド、同年12月にオーストラリアが批准し、これまでサモア、キリバス、トンガ、ソロモン諸島、ニウエの批准が確認されていた。

ニュージーランドのデービッド・パーカー貿易・輸出成長相は、8カ国目となるクック諸島の批准を歓迎し、「PACER Plusは協定国間の貿易を促進し、雇用の拡大や持続可能な経済成長を実現するもので、太平洋地域の安全と繁栄に貢献する」と述べた。また、「ルールに基づく自由貿易の推進は、新型コロナウイルス感染拡大による経済的打撃から回復するために必要不可欠だ」と強調した。

(住裕美)

(ニュージーランド、オーストラリア、オセアニア)

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