英政府、移行期間後の食品ラベル表示のガイダンス更新

(英国)

ロンドン発

2020年10月15日

英国政府は10月14日、EU離脱の移行期間終了後の2021年1月1日から適用される、食品および飲料のラベル表示の変更点に関するガイダンスを更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。食品飲料のラベル表示に関するガイダンスは2019年2月5日に初版を発表した後、数回の更新を行っているが、移行期間終了が迫る中、英国の食品関連事業者は政府に対し、食品ラベル表示に関するルールの明確化を求めていた。今回の更新では、食品ラベル表示ルールの明確化に加え、英国で販売される食品に関して、ラベル表示変更の猶予期間を新たに示した。

更新ガイダンスは、英国で販売される食品のラベル表記に関して、関連行政機関と英国国会での手続きが必要とただし書きした上で、以下のような内容を含んでいる。

  • グレートブリテン島(GB、北アイルランドを除く英国)でのラベル表示変更に関する猶予期間は2022年9月30日まで。同日までに新たな規則にのっとったラベル表示に変更する必要がある。
  • 2022年9月30日まで、GBで販売される包装食品あるいはカゼイン(注)に記載する食品事業者の住所は、EU、GB、北アイルランドいずれの住所も継続使用できる。
  • 2022年10月1日から、GBで販売される包装食品あるいはカゼインに記載する食品事業者の住所は、英国の住所を含めなければならない。食品事業者が英国内に所在しない場合、輸入者の住所を含める必要がある。
  • 北アイルランドで生産かつ販売される食品は、2021年1月1日以降も「origin EU(EU産)」の表記を継続できる。
  • 英国で生産かつ販売される食品は、2022年9月30日まで「origin EU」の表記を継続できるが、2022年10月1日以降、GBで生産される食品に対して「origin EU」の表記は不可。

また、本ガイダンスでは、英国からEUに輸出される食品のラベル表記についても触れており、以下のような内容を含んでいる。

  • 2021年1月1日より前にEU市場に出荷された動物性由来原材料を含む食品は、ラベル表示を変更することなくEU市場内で流通を継続することができる。
  • 2021年1月1日より前に英国あるいはEUの市場に出荷された動物性由来原材料を含まない食品は、いずれの市場においてもラベル表示の変更なしに流通を継続することができる。
  • 2021年1月1日以降、英国からEU市場に出荷される全ての食品は、EUのルールを順守する必要がある。
  • 包装食品、あるいはカゼインの商品パッケージ、あるいは食品ラベルには、EUもしくは北アイルランド内に所在する食品事業者の住所、またはEUもしくは北アイルランド内に所在する輸入者の住所を含める必要がある。

なお、本ガイダンスは今後、変更の可能性もあるとされている。

(注)乳に含まれるタンパク。

(飯田俊平)

(英国)

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