ロンバルディア州で夜間外出制限を導入

(イタリア)

ミラノ発

2020年10月23日

イタリアでは新型コロナウイルスの急速な感染再拡大を受け、ミラノを州都とするロンバルディア州が10月21日、夜間の外出制限を翌22日から導入すると発表した。午後11時から翌日午前5時の間の移動は、職務上の必要性や生活上の必要性・緊急性がある場合、また健康上の理由、住居に帰る場合のみに限られ、移動する場合も所定の自己宣誓書の提示が必要となる。この措置は11月13日まで有効。

ロンバルディア州はそのほか、大型店舗やショッピングセンター内の小売店は土日の営業は停止(注)とするなど、一部の経済活動にも新たに制限を設けた。

首都ローマがある中部ラツィオ州でも、23日深夜から30日間、夜間の外出禁止の措置が取られる。職務上など特定の理由を除き、午前0時から午前5時まで州内の移動を禁じる。

イタリアでは10月に入り感染が急激に拡大。飲食店の営業時間制限など、全国レベルで一部制限措置が導入されたが(2020年10月15日記事参照)、各地域レベルで追加的な措置が取られつつある。

コンテ首相は21日の議会での演説で、「感染の機会を減らし、リスクを生む可能性のある不要な移動や活動を避ける努力をする必要がある」と述べ、警戒を呼びかけている。

経済界からは反発の声

ロンバルディア州が導入した制限措置に対し、一部経済界からは反発の声が上がっている。イタリア商業連盟ロンバルディアは20日、複数の業界団体とともに声明を発表。非食料品を取り扱う大型店の土日営業を停止する措置などに対し、反発を示した。声明では「非食料品セクターと飲食業はロックダウンの期間に既に厳しい試練にさらされた」としており、「(小売り)産業は国内経済のエンジンであり、小売り産業を棚上げすることは国の経済を沈めることを意味する」と反発を強めている。

(注)ただし、食料品店や薬局など一部の販売店は除く。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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