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欧州産業連盟、EUのFTA運用について提言

(EU)

ブリュッセル発

2020年10月14日

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は10月12日、「EUのFTA(自由貿易協定)実施に関する提言PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」と題する意見書を取りまとめ、発表した。同連盟によると、企業は新型コロナウイルス危機を通じて、サプライチェーンを多様化する必要性を認識しており、FTAの活用がこれまで以上に重要となるが、中小企業を中心に、EU企業がFTAのメリットを十分に享受できていないケースがあるという。EUのFTA実施状況に関しては、欧州委員会が2017年以降、毎年10月ごろに年次報告書を公表しており、同連盟としては2020年の報告書公表を前に意見書を発表することで、FTA運用上の課題を喚起する狙いがある。

原産地証明にかかる手続き負担の軽減などを提言

意見書は、(1)手続き負担およびコストの削減、(2)利用企業が入手可能な情報の整備、(3)EU域内だけでなくFTA相手国の輸入者への利用周知、(4)EUが新たに設置した最高貿易執行責任者(注)を中心とした包括的なFTA活用戦略の立案、(5)欧州委が公表するFTA実施状況に関する報告書の一層の充実化の5つの提言から構成されている。

中でも、提言の第1に挙げたFTA利用のための手続きの簡素化が中心的なメッセージとなっている。意見書では、原産地証明にかかる手続き負担とFTAの特恵関税適用によって節約できる税額を比較した結果、一般関税を支払って貿易を行う企業もあるため、手続き負担は必要最小限に抑えられるべきとし、FTA適用の対象となる貨物の積送基準や、通関後のFTAの遡及(そきゅう)的適用などのルールは実務の実態に即して規定される必要があると指摘している。また、日EU経済連携協定(EPA)に関して個別に言及し、輸入国税関が同EPAに基づく特恵関税が適用される対象産品が原産地規則を満たしているかの確認を行う際に、「輸出者が輸入国税関に商業上秘匿性の高い情報を提供しなければならない事実上の義務に直面する場合がある」とし、ドイツでの調査結果によると、EPAの利用を回避するケースが報告されているという。

なお、欧州委員会は10月13日、FTAに関する情報提供強化の一環として、貿易促進のためのポータルサイト「Access to Market portal外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を立ち上げた。輸出産品と原産地国、輸出相手国を入力することで、適用される関税率や税関手続きなどの情報を調べることができる。

(注)欧州委は新たに最高貿易執行責任者(Chief Trade Enforcement Officer)のポストを設置し、7月24日に貿易総局のデニス・レドネット氏を任命したと発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(安田啓)

(EU)

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