マルコーフーズ、日タイEPA活用で30%の関税率が無税に

(日本、米国、タイ)

米州課

2020年10月26日

埼玉県深谷市に本社を構える、冷凍とろろ芋や同加工品を製造するマルコーフーズは近年、アジアや米国向け輸出に取り組んでいる。「新型コロナ禍」の中、海外輸出にも逆風が吹いているものの、経済回復の動きを見ながら今後の海外展開を検討中だという。技術部長の川上智司氏に、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)の活用状況について話を聞いた(8月19日)。

マルコーフーズの主な輸出先はタイ、米国、インドネシア、シンガポール、香港などで、間接貿易による輸出を中心に行っている。EPAを初めて利用したのは2019年6月のタイ向けの輸出で、取引先から日タイEPAの活用をもちかけられたのがきっかけだった。タイ向け輸出については、特恵関税を利用することによって、冷凍とろろ製品に課される関税が30%から無税となるため、大幅な関税削減が実現した。米国輸出に向けて2019年末から調査活動を開始し、徐々に輸出に取り組み始めた。日米貿易協定はまだ活用していないが、取引先との調整の上、今後の活用を検討中だ。

EPAの原産地証明書発給手続きでは、農産物が原料であるがゆえの苦労があったという。商工会議所での原産地証明書の取得に当たっては、原料の産地や生産情報などを準備する必要がある。原材料となる山芋はいずれも国内産だが、いったん納入された原料を産地ごとにトレースすることが当初は難しかった。そこで、一定規模の数量が納入されている産地の原料を、EPAを利用する製品ラインで使用するように管理・生産体制を見直し、解決に成功した。EPA利用に当たって同社は、全社でビジョンを共有した上で社内の協力態勢を敷いている。原料調達担当にはEPA活用のメリットや必要性を理解してもらった上で、必要な情報の収集を依頼している。

写真 輸出している冷凍とろろ芋(マルコーフーズ提供)

輸出している冷凍とろろ芋(マルコーフーズ提供)

川上部長は海外進出先として米国市場は「マーケットの大きさや顧客の潜在性に魅力を感じる」と話す。実際に2019年には米国西海岸に出張して視察を行い、現地ネットワークづくりにも取り組んだ。現在は新型コロナウイルスの影響で積極的な営業を行うのが難しい状況だが、中長期的な視点で今後の米国展開を検討中だ。そのほかの海外市場についても、とろろ製品の市場や発展性が有望な国・地域があれば、EPAを活用していきたい考えだ。

(須貝智也)

(日本、米国、タイ)

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