電子機器16社が生産連動型インセンティブ(PLI)スキーム認定

(インド)

ニューデリー発

2020年10月13日

インド電子情報技術省(MeitY)は10月6日、電子機器製造の生産連動型インセンティブ(PLI)スキームの認定企業16社を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。PLIスキームは、携帯電話製造や特定の電子部品の組み立て・検査などの分野への大型投資を呼び込み、国内製造を促進することを目的として、2020年4月1日に発表された(2020年5月21日記事2020年6月ジェトロ調査レポートPDFファイル(672KB)参照)。基準年度(2019/2020年度)から5年間、インドで製造された製品の売り上げの増加額に対して、4~6%の補助金が付与される。対象事業は、請求価格が1万5,000ルピー(約2万2,500円、1ルピー=約1.5円)以上の携帯電話製造、インド企業による携帯電話製造、SMT(表面実装)部品・受動部品・プリント基板などの指定電子部品製造、の3つに分かれる。各分野の採択企業は以下のとおり。

  1. 請求価格が1万5,000ルピー以上の携帯電話製造(5社):サムスン、フォックスコン/ホンハイ(台湾)、ライジングスター(台湾)、ウィストロン(台湾)、ペガトロン(台湾)
  2. インド企業による携帯電話製造(5社):ラヴァ、バグワティ・プロダクツ(マイクロマックス)、パジェット・エレクトロニクス、UTLネオリンクス、オプティマス・エレクトロニクス
  3. 指定電子部品(6社):AT&S(オーストリア)、アセント・サーキット(インド)、ヴィジコン、ウォルシン(台湾)、サハスラ(インド)、ネオリンク(イスラエル)

請求価格1万5,000ルピー以上の携帯電話製造分野で採択された企業のうち、3社(フォックスコン/ホンハイ、ウィストロン、ペガトロン)はアップルのiPhoneを生産する。こうした電子産業推進の流れを受け、国内付加価値は、現在の15~20%程度から、携帯電話は35~40%、電子部品は45~50%まで上昇すると期待される。

MeitYによれば、今回認定された16社による向こう5年間の生産額は、10兆5,000億ルピー以上になると見込まれる。認定企業は、積極的な製品輸出が期待されており、生産額の6割程度が輸出に向けられる予定だ。雇用についても、20万以上の直接雇用機会とその約3倍の間接雇用機会が見込まれるなど、モディ首相が掲げる国内製造業振興政策「メーク・イン・インディア」や、「新型コロナ禍」で発表された自国産業強化などの「自立したインド」構想に貢献するものとなりそうだ。

(磯崎静香)

(インド)

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