中国初の「危険化学品安全法(意見募集稿)」、パブコメ開始

(中国)

上海発

2020年10月16日

国務院応急管理部は10月2日、「中華人民共和国危険化学品安全法(意見募集稿)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、意見募集稿)のパブリックコメントを開始した(受付は11月1日まで)。

2015年8月12日に発生した天津港の特別重大爆発事故以降、国務院は「危険化学品安全法」の草案策定作業を開始した。その後、2019年3月21日に発生した江蘇省シャン(シャンは口へんに向)水の爆発事故を受けて、草案作成作業が加速し、「危険化学品安全管理条例」(国務院令第645号)を改正、「条例」から「法律」に格上げする方針が固まった。

意見募集稿は「総則」「登録と鑑定」「計画配置」「製造と貯蔵の安全」「使用の安全」「経営の安全」「輸送の安全」「廃棄処分の安全」「事故応急救援」「法律責任」「付則」の全11章(137条)からなり、爆発事故の教訓を踏まえ、廃棄処分の安全監督の責任を明確化する「廃棄処分の安全」などが追加された(注)。

今回の意見募集稿では、危険化学品の製造、貯蔵、使用、経営、輸送と廃棄処分などの各段階において、緊急管理部、公安部、市場監督管理部、生態環境部、交通運輸部などの政府主管部門の職責を明確に定めたほか、化学工業園区、物流園区の計画、設置と安全管理を強化している。また、違法行為に対する処罰を強化し、重大な違法行為や違反企業に対して罰金を科すとともに、その主たる責任者や管理者およびその他の直接責任者に対しても罰金と行政拘留措置を併科することなどが明記されている。

(注)「危険化学品安全管理条例」は、「総則」「製造と貯蔵の安全」「使用の安全」「経営の安全」「輸送の安全」「危険化学品の登録と事故応急救援」「法律責任」「付則」の全8章(102条)だった。

(呉秀媛)

(中国)

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