新たな財務相にアーコム氏が就任、元国家経済社会開発庁長官
(タイ)
バンコク発
2020年10月13日
タイ政府は、アーコム・タームピッタヤーパイシット氏を新たな財務相に任命し、2020年10月5日付の官報で公表した。同氏は、第1次プラユット政権下で、運輸副大臣、運輸相などを歴任した。
アーコム氏は、米国ウィリアムズ大学を卒業後、国家経済社会開発庁〔NESDB、現国家経済社会開発委員会(NESDC)〕においてキャリアを重ね、運輸相就任前には同庁の長官を務めていた。同氏は清廉な人物として知られており、無所属ながらも要職に就き、かつ閣僚在任中にも汚職事件などのスキャンダルがないことから、プラユット首相の信頼は厚い。
プラユット首相は10月6日の閣議後記者会見において、アーコム氏を任命した理由について言及。同氏は自身が何をすべきかをよく理解しており、政治家とも良好な関係を築くことができる人物だと述べた。
経済界も、新たな財務相を歓迎している。地元紙「クルンテープトラキット」は同6日に、タイ商工会議所(TCC)のカリン・サラシン会頭が、アーコム氏はNESDCでの経験が長く、マクロ経済に精通しておりこの役職に最もふさわしい人物だと評したと報じたほか、タイ国家荷主協会(TNSC)のガンヤパッド氏も、同氏のNESDCでの経験を評価しつつ、今後、景気刺激策や規制緩和、通貨バーツ高への対応などを求めていきたいとしたと報じた。
アーコム氏は、10月11日に国王の認証を受けて、正式に財務相に就任し、12日の閣議に出席する予定。
(ナオルンロート・ジラッパパー、岡本泰)
(タイ)
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