最大警戒地区を拡大し、企業支援措置を拡充

(フランス)

パリ発

2020年10月12日

フランスのベラン連帯・保健相は10月8日、新型コロナウイルスの感染状況が急速に悪化しているとして、リール、グルノーブル、リヨン、サンテティエンヌを新たに最大警戒地区に指定した。10月10日から感染拡大防止に向け、バーの閉鎖や公共の場所での10人以上の集会禁止などの規制が適用された。

最大警戒地区は、マルセイユ・エクサンプロバンスとその近郊、グアドループ(海外県)、パリとその近郊3県と合わせて7つの地区に広がった。ベラン連帯・保健相はトゥールーズ、モンペリエも、感染状況の悪化により12日までに最大警戒地区に指定される可能性があるとした。ディジョン、クレルモンフェランについては、警戒地区から警戒強化地区に引き上げられた。

これを受け、ルメール経済・財務・復興相は同8日、規制再強化で影響を受ける企業に向けた追加支援措置を発表した。まず、観光産業支援措置(プラン・ツーリズム)の適用対象業種について、観光、イベント、スポーツ、娯楽、文化関連に加え、こうした業界とつながりの強い業種(観光地の非食品系小売り、パリ・セーヌ川沿いの古本屋、イベント用のコンテンツや資材の制作会社やグラフィック・デザイナーなど)に広げる。

観光業支援措置の適用対象となる業種では、従業員数50人以下の企業(従来は20人以下の企業に限定)は、売上高に関係なく連帯基金支援金の受給対象となる。支援金は、規制強化を受けた売上高の減少幅が50%を超える企業に対し最大月額1,500ユーロ、売上高の減少幅が70%(従来の80%から引き下げ)を超える企業は売上高の60%を上限に最大で月額1万ユーロを支給する。

また、同業種における一時帰休については、2020年12月末まで国が休業手当を100%負担する。今回、新たに適用対象に加えられた業種については、2020年2~5月分の社会保険料が遡及(そきゅう)的に免除される。

今回の追加措置は、9月25日に発表された行政措置により、休業または営業時間の制限を余儀なくされた企業への支援措置を補充するものだ(2020年9月29日記事参照)。

(山崎あき)

(フランス)

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