ドバイ万博、新型コロナの影響に対するプロジェクトを募集

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年10月16日

2020年ドバイ国際博覧会(新会期:2021年10月1日~2022年3月31日)(以下、ドバイ万博)を主催するドバイ万博公社(以下、公社)は、新型コロナウイルスの世界的な流行に対する持続可能な解決策を示すプロジェクトを公式ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで募集している。応募の締め切りは2020年12月31日。国連やドバイの慈善団体「ドバイ・ケアーズ」などによって審査が行われ、2021年4月に採択案件が発表される予定。

今回の募集は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に資する革新的な取り組みをドバイ万博において紹介する「グローバル・ベスト・プラクティス」プログラムの特別編という位置付け。募集要項PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、対象分野は、健康と福祉、水と衛生、教育とスキル開発、生計の維持、デジタル化と多岐にわたる。新型コロナウイルスがもたらした影響を克服し、「より良い日常」を目指す多様なアプローチを、万博というプラットフォームを通じて世界中の人々と共有することを狙いとしている。個人、コミュニティー、NGO、スタートアップ、医療従事者、企業、政府、国際機関など、さまざまな主体からの提案を受け付けている。

公社は2019年9月、「ベスト・プラクティス25選」として本プログラムの採択案件を発表(2019年10月23日記事参照)していた。その第2弾として2020年9月、20の「知られざる物語」を採択したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。追加採択案件の1つ、パキスタンを拠点とする社会的企業「アップ・トレード」が取り組む「ゴーツ・フォー・ウォーター(水のためのヤギ)」プロジェクトは、通貨の代わりにヤギによってソーラー水ポンプを購入できる物々交換の仕組みを構築したもの。所得の低い農村における、水不足問題の解決に貢献したことなどが評価された。また、英国拠点の「セーフティネット・テクノロジーズ」は、特定の魚種を寄せ付ける水中ライト「ピスケス(うお座)」を設計。漁網に設置することで魚の「混獲(目的とする魚種とは異なる魚種を捕獲すること)」を減らし、絶滅危惧種の保護や漁師の生計向上にも貢献したことなどが評価された。

採択されたプロジェクトは、万博会期を通じてテーマ展示で紹介されるほか、実施主体に対し、万博会場で行わるカンファレンスなどへの登壇機会が提供される予定。

(安井梓、田辺直紀)

(アラブ首長国連邦)

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