韓国政府、AI半導体の発展戦略を発表

(韓国)

ソウル発

2020年10月19日

韓国の産業通商資源部と科学技術情報通信部は10月12日、「人工知能(AI)半導体産業の発展戦略」(以下、「AI半導体産業発展戦略」)を発表した。成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源部長官は「AI半導体は成長エンジンの中核的存在で、同産業の高度化により2030年までに世界をリードする国を目指す」と述べた。

AI半導体産業発展戦略において、2030年までにAI半導体の先進国に飛躍するため、(1)世界市場シェアの20%達成、(2)AI半導体企業20社の育成、(3)関連する高度人材3,000人の育成、を目標に掲げる。

第1ステップとして、人間の脳神経の働きと仕組みを模倣するNPU(Neural Processing Unit:ニューラルネットワーク処理装置)を開発し、第2ステップでは、新素子や革新的な設計技術などを融合したニューロモーフィックコンピューティング(Neuromorphic Computing)の開発に挑戦する。また、メモリーとプロセッサーを統合したPIM(Processing-In-Memory)半導体技術の開発を通じ、現在、世界の半導体企業がしのぎを削るAI半導体分野での世界市場を獲得したい考えだ。さらに、官民共同の投資により、初期市場を支えるインフラの構築や、AI半導体アカデミー事業(注)などを通じた高度人材の育成を図る。

なお、韓国情報通信政策研究院(KISDI)などは、AI半導体の世界市場が2030年までに現在の約6倍の1,179億ドル規模に達すると予想している。

(注)大学や研究所に投資し、(1)技術の研究開発、(2)高度人材の育成、(3)採用時の連携を支援する。

(当間正明)

(韓国)

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