エジプト、スーダンとの経済・人的交流を強化

(エジプト、スーダン)

カイロ発

2020年10月28日

エジプトのネビーン・ガーメア貿易・産業相は10月25日の記者会見で、スーダンとイスラエルの国交正常化の動き(2020年10月26日記事参照)やスーダン経済の発展可能性を歓迎し、今後はスーダンとの経済・人的交流を強化すると述べた。また、両国間の貿易は近年目覚ましく拡大しているとし、2019年のエジプトの対スーダン輸出額が前年の4億1,800万ドルから19%増の4億9,600万ドルを記録したと述べた。さらに、両国間の貿易促進を妨げる障害を克服し、共同投資を増やすための対応として、スーダンでのエジプト専用の工業団地設立や、両国間の経済協力の枠組み、エジプト第2の経済都市アレキサンドリアからスーダンの首都ハルツームへの鉄道網の開発を挙げた。

スーダンは鉱物資源と農業が成長分野で、輸出全体の約30%を金が占めている。農業分野ではいまだに発展の余地があるとみられており、近年は中東湾岸諸国が農業投資を行なっている。韓国は自動車分野で存在感を示し、中国企業は携帯電話関連などさまざまな業種で進出している。現在、人口約1億人のエジプトには約400万人のスーダン人が生活しており、湾岸諸国同様に政府系、企業、研究分野などで幅広くスーダン人が活躍している。さらなる交流の拡大が注目される。

(常味高志)

(エジプト、スーダン)

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