キャセイパシフィック航空、従業員8,500人削減へ

(香港)

香港発

2020年10月23日

香港の航空最大手のキャセイパシフィック航空は10月21日、全従業員約3万5,000人の24%にあたる8,500人の人員削減を含めたグループ全体の事業再編計画を発表した。新型コロナウイルスの世界的大流行による航空業界への影響を踏まえた対応としている。

人員については、香港で5,300人、香港外で600人、その他人材採用の凍結や退職などによる自然減で計8,500人を削減する。また、100%子会社のキャセイドラゴン航空は運航を即日停止する。同航空の路線はキャセイパシフィック航空や、同じく100%子会社でLCCの香港エクスプレスが代替することを予定している。その他、経営陣の給与カットを2021年も継続するほか、香港ベースのパイロットや客室乗務員については、雇用契約条件の変更を求める。

キャセイパシフィック航空の鄧健榮(オーガスタス・タン)最高経営責任者(CEO)は「(新型コロナウイルスの)世界的大流行が引き続き航空業界に大打撃を与えており、グループの生き残りのため抜本的な再編が必要となった」と述べ、「毎月15億~20億香港ドル(約210億~280億円、1香港ドル=約14円)の現金燃焼(キャッシュバーン)が続いているが、今回の再編計画により5億香港ドルに抑えられる。業績回復の動きは遅く、航空機運航に関しては、2021年上半期は乗客定員の25%以下、2021年通年でも50%を下回る見込み」とコメントした。

(渕田裕介)

(香港)

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