第3四半期の輸出入、前期より回復

(スイス)

ジュネーブ発

2020年10月26日

スイス連邦関税局は10月20日、2020年第3四半期(7~9月)の貿易統計を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。第2四半期(4~6月)の記録的な落ち込みから回復し、輸出は前期比6.5%増の536億スイス・フラン(約6兆1640億円、CHF、1CHF=約115円)、輸入は11.5%増の454億CHFとなり、82億CHFの貿易黒字となった。前年同期比では輸出は49億CHF減、輸入は69億CHF減となった。

輸出を品目別にみると、最大品目の化学品・医薬関連品(前期比4.0%減)を除いた全ての品目で増加した(添付資料表1参照)。特に、第2四半期で大幅に減少した時計(81.9%増)と装身具・宝飾品(2.6倍)は中国向け輸出に牽引され大きく伸びたが、依然として通常の水準を下回っている。精密機械・医療機器(20.0%増)、機械および電気・電子機器(8.7%増)も回復したが、化学品・医薬関連品は、製剤用有効成分(13.9%減)と免疫学的製品(6.0%減)の売り上げ低迷により減少した。

国・地域別にみると、アジア(16.9%増)、米国(13.6%増)、欧州(7.4%増)と主要な市場で増加した(添付資料表2参照)。アジアでは中国(16.2%増)、香港(46.2%増)、アラブ首長国連邦(86.3%増)が伸びた。欧州ではドイツ(1.7%減)、スペイン(6.9%減)は減少したが、英国(31.2%増)、イタリア(23.2%増)、フランス(16.4%増)、オランダ(25.7%増)は2桁台の伸び率となった。

輸入を品目別にみると、輸送用機器(70.9%増)と装身具・宝飾品(2.2倍)が大きく伸び、化学品・医薬関連品(3.5%増)、機械および電気・電子機器(4.8%増)、金属(9.0%増)も増加した。

国・地域別にみると、アジアはベトナム(78.8%増)が急増したが、中国(7.0%減)とシンガポール(12.5%減)が減少し、0.4%増にとどまった。米国(16.9%増)と欧州(13.8%増)は2桁台の伸び率となり、欧州ではドイツ(12.6%増)、イタリア(12.3%増)、フランス(23.3%増)、アイルランド(33.6%増)が増加した。

(竹原ベナルディス真紀⼦、マリオ・マルケジニ)

(スイス)

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