第2四半期GDP成長率は前年同期比マイナス11.0%、過去最大の下げ幅に

(チェコ)

プラハ発

2020年09月04日

チェコ統計局は9月1日、2020年第2四半期の実質GDP成長率(季節調整済み)を前年同期比でマイナス11.0%、前期比でマイナス8.7%と発表した。前年同期比、前期比ともに第1四半期の減少幅を上回り(2020年6月8日記事参照)、1993年1月の独立以来最大の下げ幅を記録した。

需要項目別に前年同期比でみると、最大のマイナス要因は外需の減少で、その寄与度はマイナス7.9ポイントとなった。輸出は23.3%減と大きく減少し、特にゴム・プラスチック製品、機械・機器、および輸送機器部門における輸出減が顕著となっている。民間消費支出も7.6%減で、GDP成長率を2.0ポイント押し下げた。これは新型コロナウイルス感染拡大とその防止策導入により、家計不安要素が増大する状況下で、特に中期・長期耐久消費財の購入を消費者が控えたため、と統計局は分析している(添付資料表1参照)。

産業部門別にみると、第1四半期に引き続き、営業制限、移動制限、および観光客の激減を受けて、売り上げが減少した小売り・卸売り、ホテル、レストラン・サービス部門が20.5%減と最大の下げ幅を記録した。需要減退などの影響で、減産措置を講じる企業が相次いだ製造業においても18.2%減と大幅に減少した(添付資料表2参照)。

チェコ国立銀行(中央銀行)が8月6日に発表した最新経済見通しにおいては、第2四半期のGDP成長率を前年同期比マイナス12.0%と予測していた。また中銀は、GDP成長率が第2四半期で底打ちするとみており、第3四半期はマイナス10.0%、第4四半期はマイナス8.6%と徐々に回復し、2020年通年では前年比マイナス8.2%となると予測している。2021年以降の経済成長に関しては、2021年第2四半期にプラスに転じ、2021年は通年で3.5%、2022年は4.0%に達すると予測している。

(中川圭子)

(チェコ)

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