ミャンマー国境のタイ各県、越境制限措置を強化

(タイ、ミャンマー)

バンコク発

2020年09月29日

ミャンマーでの新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ミャンマーと国境を有するタイ各県が、ミャンマー人の越境移動に対する制限を強めている。タイは、6月30日の非常事態令第9条に基づく決定(第11号)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により複数の国境での貨物移動を認め、また7月31日の決定(第13号)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、カンボジア、ラオス、ミャンマー人を想定した労働者の入国を許可するなど、国境経由の入国措置の緩和を進めていたが、逆に、ミャンマー国境は厳格化の方向に動いている。

まず、東西経済回廊の主要結節点であるメーソット=ミヤワディ(それぞれタイ側とミャンマー側の国境地点、以下同様)国境を有するタイ西部・ターク県は、9月2日に県知事名で命令第2161号/仏歴2563年PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(西暦2020年)を出した。9月3日以降、メーソットの第2友好橋国境での入国について、貨物輸送従事者(4輪トラックは乗員のみ、4輪を超える大きさのトラックは乗員に加え、作業員の2人まで)のみを認め、それ以外のミャンマー人の入国を一時的に禁止した(注)。

また、タイ北部・チェンライ県伝染病管理委員会は、9月17日以降、中国との国境に近いメーサーイ=タチレイ国境において、ミャンマー側トラックのタイ側への乗り入れ台数を1日当たり最大168台とし、通常の積み替え場所より手前の、委員会の指定する場所でドライバーの交代を義務付ける措置を導入した。さらに9月22日には、ミャンマー国内の国境付近の村落で感染が確認されたことを受け、タイ西部・カンチャナブリ県の伝染病管理委員会議長を務めるジラキアット県知事の命令として、同日から10月5日まで、サンクラブリ=パヤトンズー国境(「スリー・パゴダ・パス」)を閉鎖するとした(チェンライ県とカンチャナブリ県の情報はジェトロヒアリングによる、正式な命令は9月28日現在公表されていない)。

(注)メーソットには2つの友好橋があり、通常は第1友好橋で人および小型車両の通関が、また第2友好橋で大型車両の通関が行われる。ただし9月28日現在、新型コロナへの対応として、第1友好橋は閉鎖されており、第2友好橋のみが対象となっている。

(蒲田亮平)

(タイ、ミャンマー)

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