新型コロナ対策の新計画を発表

(アイルランド)

ロンドン発

2020年09月17日

アイルランド政府は9月15日、これから約半年間にわたる新型コロナウイルス感染拡大対策をまとめた計画「Plan for Living with Covid-19外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。国内の感染状況に応じて5段階のレベルを設けており、各レベルによって集会や公共交通機関、飲食店などの営業活動などについて制限を記載している(添付資料表参照)。

同国は15日時点でレベル2とされている。このレベルでは、結婚式などの各種屋内イベントに最大50人までの参加が認められ、国内旅行に対する制限もない。ただし、感染が拡大しているダブリン県では、集まることができる世帯数や人数の制限、食べ物を提供しないバーなどの営業停止措置延長など追加措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが講じられている(注)。また、現地各紙の報道によると、政府は、今後数カ月間は困難な状況となり得る医療機関に対して、現場体制を維持すべく、6億ユーロを2020年冬の予算案に盛り込むとしている(公共放送局RTE、9月15日付など)。

国内経済の悪化を受け、経済対策を実施

中央統計局(CSO)によると、アイルランドの2020年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前期比マイナス6.1%と過去最大の下落となり、第1四半期(1~3月)のマイナス2.1%から2四半期連続のマイナス成長を記録してリセッション(景気後退)に入った。特に、内需の柱となる個人消費に関しては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限措置が影響し、前期比19.6%減と大幅に落ち込んだ。こうした経済への打撃緩和のため、政府は総額74億ユーロに上る雇用・経済対策を打ち出している(2020年8月7日記事参照)。

(注)政府は918日、ダブリン県における行動制限措置を19日午前0時から3週間、レベル2から3に引き上げると発表した。

(尾崎翔太、尾関康之)

(アイルランド)

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