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クルツ首相の一般教書演説、新型コロナ対策と経済立て直しを重視

(オーストリア)

ウィーン発

2020年09月04日

オーストリアのセバスティアン・クルツ首相は8月28日、一般教書演説で秋に向けた政府の主な政策を発表した。政策は新型コロナウイルス対策と経済立て直しに重点を置いたものとなっている。クルツ首相は演説の冒頭、「『コロナ禍』は多くの専門家が当初予想したほど長くならない可能性が高い。ワクチンや治療法、医薬の開発によって、2021年夏からは従来の生活に戻れるだろう」と述べた。

演説の主なポイントは以下のとおり。

  • 経済:積極的な外国投資誘致策でオーストリアの事業拠点としての魅力を高める。「オーストリア・リミテッド」という新しい法人形態の導入で起業を簡略化する。スタートアップや優れたイノベーションを持つ中小企業に対して税優遇措置などの支援を行い、企業の資本を強化する。
  • 雇用:失業者10万人に対して、介護やデジタル化など将来性のある業種への再就職を支援するための労働基金を設立する。特に介護分野では2030年までに追加で7万人の専門職が必要とされる。
  • ホームオフィス(在宅勤務):「コロナ禍」によって拡大したホームオフィスの定着を図るための労働法規上の条件を明確化する。
  • サプライチェーン:輸出主導型の小国であるオーストリアはサプライチェーンの一部として恩恵を受けてきた。一方、食料品などではさらなる地産地消が可能で、公的機関内の食堂における地元食料品の使用率を上げる。なお、これに関して「スタンダード」紙(8月28日付)は、使用率を20%増やすことで4万6,000人の雇用を創出できるというクルツ首相による試算を報じている。
  • EU復興基金:EU復興基金を利用して、グリーンやデジタル化などの戦略的業種を強化する。
  • デジタル化における研究強化:既存の大学のデジタル分野の研究・教育機能を強化するとともに、デジタル化を主要な研究分野とする新たな工科大学をリンツに設立する。
  • 教育:デジタル化のための設備を強化する。教員、生徒、保護者との関係を強化し、授業が教室で行われる場合でもオンラインでのやりとりの可能性を確保できる体制を構築する。新学校が閉鎖の際、保護者は3週間までの特別休暇の取得が可能となる制度を制定する。
  • 危機・安全法:政府や関連機関がパンデミック、サイバー攻撃、テロなどのあらゆる脅威に対応できるようにするための法律を導入する。
  • 高齢者:病院、老人ホームに滞在している人に対し、孤立を防ぐ措置を講じる。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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