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米政府、対イラン制裁を単独で強化、国連での協調得られず

(米国、イラン、ベネズエラ)

ニューヨーク発

2020年09月24日

ドナルド・トランプ米国大統領は9月21日、イランとの武器取引に関与した個人や団体に対して、米国内の資産凍結や米国への入国を停止する大統領令に署名外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、大統領令に伴い、国務省、財務省、商務省はそれぞれ制裁対象の指定や具体的な措置を発表した。国連による対イラン制裁の復活について、他の主要国から協調を得られない中、単独で制裁強化を図ったかたちだ。

トランプ政権は9月19日、オバマ前政権時代の2015年に国連で承認(国連安保理決議第2231号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))されたイランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」にイランが違反したことを理由に、停止されていた全ての対イラン国連制裁の再発動を宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注)。しかし、2018年5月にJCPOAを離脱している米国の主張に対しては、他の国連安保理参加国の多くが、無効との立場を取っている。国連安保理決議第2231号(注)に基づき停止している対イラン国連制裁の中で主要なものである、イランとの武器取引禁止措置が、同決議での規定により10月18日で失効するとの懸念から、トランプ政権は今回、単独での制裁強化に踏み込んだ。

大統領令発表の直後、マイク・ポンペオ国務長官、スティーブン・ムニューシン財務長官、マーク・エスパー国防長官、ウィルバー・ロス商務長官ら主要閣僚が一堂に会して記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行い、今回の対イラン制裁の趣旨と概要を発表した。ポンペオ国務長官は「トランプ大統領はJCPOAが惨めな失敗であることを理解していた」とし、「本日発表された大統領令は国連による武器禁輸措置を執行し、国連制裁を逃れようとする者に責任を負わせるための新しく、かつ強力な手段をわれわれに与える」と、政権の姿勢を強調した。

トランプ政権は、今回の大統領令などに基づき、イランの国防軍需省や原子力エネルギー庁の関連機関やその幹部などを制裁対象に加えた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。また、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領も、イランとの武器取引に関与したとして対象に指定している。ムニューシン財務長官は「制裁対象となった人物、団体と知りながら、それらのために重要な取引を仲介する金融機関も米国の制裁対象になり得る」と発言している。また、ロス商務長官は米国の輸出管理規則に基づき、イランの科学者5人を原子力開発に寄与したことを理由に、輸出管理対象のエンティティ・リストに加えた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

米国シンクタンクの外交問題評議会(CFR)が9月21日に開催したイベントに参加していた、イランのジャバード・ザリーフ外相はトランプ政権の措置について「イランにとってこれまでを上回るような深刻な影響はないだろう」と発言している。各メディアでも、イランに近いとされているロシアや中国の協力がない中では、米国が単独で制裁強化をしても効果が薄い、との見方も出ている。

(注)ポンペオ国務長官の発表によると、国連安保理決議第2231号で停止されていた対イラン制裁には、同決議第1696号、1737号、1747号、1803号、1835号、1929号で規定された措置が含まれる。各原文は国連安保理のウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認可能。

(磯部真一)

(米国、イラン、ベネズエラ)

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