シンガポール政府、9月28日から職場での勤務者数の上限引き上げ

(シンガポール)

シンガポール発

2020年09月28日

シンガポール人材省(MOM)は9月23日、新型コロナウイルスの新規感染者数の減少を受け、職場での勤務が認められる人数の上限を引き上げるなど「職場の安全管理対策」を改定した。同対策の改定版は9月28日から適用となり、4月7日に部分的ロックダウン「サーキットブレーカー」が導入されて以来の、職場での勤務規制の本格的緩和となる。

シンガポールでは同日、新型コロナウイルスの新規感染者は12人(累計5万7,639人)だった。ドミトリー在住の低熟練外国人労働者と海外渡航者を除いた国内の新規感染者は、過去2週間で1日当たり平均1人と大きく減少している。しかし、人材省は今回の改定でも、「在宅勤務は引き続き、働き方の基本(デフォルト)となる」としている。その上で、9月28日からは、(1)自宅で勤務可能な従業員については、勤務時間の少なくとも半分までを自宅とし(注)、(2)自宅勤務が可能な従業員が職場で勤務する場合には、その対象従業員の半数までとするとし、職場で勤務可能な人数の制限を緩和した。また、同省は雇用主に対し、職場で働く従業員の感染を防止するため、時差出勤やフレックス制、チーム制の導入を促した。人材省が今回改定した「職場の安全管理対策」の詳細は、同省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

さらに、新型コロナウイルスの政府タスクフォースは、職場でのセミナー、会議、年次株主総会などのビジネス関連のイベント開催に当たり、参加人数の上限を50人とし、少なくとも1メートルの対人距離を保つなど感染症対策を導入した上で認める、と発表した。詳細については人材省が後日、発表する予定。

頻繁に国外出張する幹部職向けに新たな「ビジネス・トラベルパス」を試験導入

一方、同タスクフォースは同日、頻繁に国外出張を必要とする幹部職を対象に、新たな「ビジネス・トラベルパス」を試験的に導入すると発表した。同パスの取得者は、渡航先で厳格に計画どおりの行動をし、帰国時にPCR検査を受ける代わりに、通常の隔離義務が免除となる。また、検査結果が出るまで自主隔離となる。ビジネス・トラベルパスの試験導入当初は、発給数を限定的なものとするが、その後、試験が成功すれば、発給数を拡大するとしている。

(注)例えば、週6日のフルタイム労働者の場合、最大3日間、会社で勤務することが許可される。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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