9割を超える債権者が政府債務再編案を支持、IMFとの交渉が課題

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年09月02日

アルゼンチン政府は8月31日、債権者との間で4月から続けてきた債務再編交渉の結果、債務再編案に対して93.5%の債券保有者が支持し、約650億ドルの債務のうち99%が新規国債に交換(スワップ)可能となったことを発表した。大統領府での発表にはアルベルト・フェルナンデス大統領をはじめ、関係閣僚や主要州知事などが集った。政府は債務再編案について主要債権者3団体とは8月4日に既に合意していた(2020年8月6日記事参照)。現地の各紙は今回の決定によって「アルゼンチンはデフォルト(債務不履行)から脱却する道筋が開けた」と報じている。

債権者との交渉を担当したマルティン・グスマン経済相は「債務問題を解決するのは不可欠だった」とし、そのために「当初から経済発展を目標とした債務再編プロセスを構築した」と説明した。その上で「アルゼンチンは今、(政権交代が行われた)2019年12月10日時点よりも健全な状況にある」と主張した。

8月31日付の現地紙「エル・クロニスタ」によると、今回の再編対象の債務のうち、約6億ドル相当は集団行動条項(CAC、注)が適応されず、債権者が訴訟を起こすことは可能とされるものの、その影響は限定的とみられる。

フェルナンデス大統領は、債務再編案に多くの支持を得たことによって「アルゼンチンの未来、さらにどのように再建するかを考えられることになった」と述べ、「当面の目標は生産と雇用創出であり、インフラや公共事業、住宅などの開発、知識経済などに重点を置き、投資を促す」と強調した。

グスマン経済相は今後の課題として、既にIMFと開始した債務再編交渉を挙げた。IMFから受けた融資は約465億ドルで、返済期日と金額は、2021年に49億ドル、2022年に183億ドル、2023年に186億ドル、2024年に47億ドルとなっており、今後、一連の再編に挑むことになる。これについて、グスマン経済相は「現状では返済するすべがない」と認めている。

(注)一定割合の債券保有者が承諾すれば、国債の金利や償還期限などの条件を変更できる契約条項

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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