南オーストラリア州、使い捨てプラスチック製品を禁止へ

(オーストラリア)

シドニー発

2020年09月11日

オーストラリア中央南部に位置する南オーストラリア州政府は9月9日、使い捨てプラスチック製品を禁止する州法の成立を発表した。オーストラリアではこれまで、デポジットシステム(注)や使い捨てビニール袋の禁止措置は導入されているが、使い捨てプラスチック製品の禁止は初めての試みとなる。

対象となる使い捨てプラスチック製品は、ストローやフォーク、スプーンなどのカトラリー、飲料を攪拌(かくはん)するマドラーなどで、これらを南オーストラリア州内で販売、供給、流通することを禁止する。違反した場合は、最大2万オーストラリア・ドル(約154万円、豪ドル、1豪ドル=約77円)の罰金が科される。ただし、新型コロナウイルス感染拡大によるビジネスへの影響を考慮し、同法の施行は2021年初めとした。

同州のデービッド・スピアーズ環境相は「南オーストラリア州は、オーストラリアで最初にデポジットシステムを取り入れ、使い捨てビニール袋を禁止した州であり、コミュニティーや産業界と協力しながら、ごみ処理・リサイクル分野を引き続きリードする」と強調した。

オーストラリア国内ではプラスチックごみのリサイクルが進んでおらず、これまでは海外での処理に依存してきたが、政府は2019年8月、プラスチック、紙、ガラス、タイヤなどのリサイクルごみの輸出を禁止すると表明していた(2019年9月18日付地域・分析レポート参照)。

(注)小売価格に容器代を上乗せして容器回収を促す制度。

(住裕美)

(オーストラリア)

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