再強化された大規模社会制限の内容が明らかに

(インドネシア)

ジャカルタ発

2020年09月15日

インドネシア・ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン州知事は9月13日の会見で、14日から実施される大規模社会制限(PSBB)の内容について説明を行った。同州では、6月4日からPSBB移行期間として経済活動に対する規制を徐々に緩和してきたが、直近の感染拡大で移行期間を廃止、再度PSBBを実施するとしていた(2020年9月11日記事参照)。これを受け、同州では経済活動などにおける規制が以下のとおり強化される。なお、実施期間は9月14日から同月27日までの14日間で、感染状況次第では延長もあり得る。

指定11業種以外でも条件付きで出勤可能

同州の住民は原則として、必要不可欠とされる活動以外の目的で外出を控える必要がある。ただし、以下の11業種〔(1)保健衛生、(2)食料・食品・飲料、(3)エネルギー、(4)通信・情報技術、(5)金融、(6)物流、(7)ホテル、(8)建設、(9)戦略産業、(10)国家重要・特定物に指定された基礎サービス、公共ユーティリティーおよび産業、(11)生活必需品や政府機関〕は、引き続き人数制限50%以下の条件で操業可能だ。それ以外の民間企業は原則、在宅勤務だが、出勤が必要な場合は、出勤する従業員数を25%に制限することで出勤可能となる(添付資料1参照)。また、ショッピングモールなどは操業可能だが、定員の50%以下となるよう入場規制が敷かれ、レストランやカフェもデリバリー・持ち帰りのみとなり、店内での飲食は禁止となる。

感染者対応の厳格化

陽性患者が発生した場合、当該事務所だけでなく、建物全体を3日間閉鎖することになる。また従来であれば無症状や症状の軽い陽性患者は自宅隔離となっていたが、無症状の場合でも家庭内での感染拡大防止のため、新型コロナウイルス対策ユニットが指定する場所で強制的に隔離されることになった。各企業は、より厳格に従業員の健康管理を行う必要がある。

公共交通機関は制限付きで引き続き運行

タクシーを含む公共交通機関は50%の乗客定員数で、車両、運行頻度の削減が定められた。運輸局の決定(添付資料2参照)によると、ジャカルタ首都圏を走る電車のKRLジャボデタベックは、9月14~16日は午前5時~午後9時、17~20日は午前5時~午後8時、21~27日までは午前5時~午後7時の短縮運転となる。ジャカルタ中心部を走るジャカルタ都市高速鉄道(MRT)は1車両につき60人を定員とし、運転は16日まで午前5時~午後10時とし、以降はKRLと同様の短縮運行となった。また、2020年4~6月のPSBB期間中に実施されていたジャカルタ特別州の出入域規制は、今回については実施されないことになった。

(上野渉)

(インドネシア)

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