ADB、2021年度のパキスタンの経済成長率を2%と予測

(パキスタン)

アジア大洋州課

2020年09月29日

アジア開発銀行(ADB)は9月15日、パキスタンの2020年度〔2019/2020年度(7月~6月)〕の実質GDP成長率が6月時点の推計値と同様のマイナス0.4%と発表した。2020年度の経済成長率が落ち込んだ理由として、ADBは、新型コロナウイルス封じ込めのための観光業の停止や非必需品関連企業の閉鎖による影響を挙げた。経済の収縮は主に原油輸入額の減少から輸入の大幅な減少につながり、GDPに占める経常収支の赤字比率は2019年度の4.8%から2020年度には1.1%に改善した。

2021年度の成長率は、6月予測と同様の2%の見通しだ。2021年度は、金融緩和政策を含む政府の支援策もあり、景気が回復すると見込んでいる。また、同年のインフレ率(物価上昇率)は2020年度の10.7%から7.5%に低下すると想定している。ADB関係者は「パキスタンは新型コロナウイルスの封じ込めと経済回復に顕著な成功をおさめた」と評価している。しかし、2015~2018年度の同国の経済成長率が4~5%の水準だったことを踏まえると、同国の経済回復に向けた動きは鈍い。

(新田浩之)

(パキスタン)

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