イスラエル、UAEに直行便を運航予定、サウジアラビアも領空通過を許可

(イスラエル、アラブ首長国連邦、サウジアラビア)

テルアビブ発

2020年09月04日

イスラエル首相府は9月2日、ネタニヤフ首相の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発出し、イスラエルとアブダビ、ドバイ間の航空便について、イスラエルの航空会社と他の全ての国の航空会社による直行便の運航が可能になる予定と発表した。首相は声明の中で、何年にもわたってイスラエルと東方の間の空を開くために尽力してきたと述べている。また、直行便の運航でフライトはより安く、より短くなり、活発な観光につながり、イスラエルの経済を発展させるだろうとし、アジア地域へのアクセスが良くなることにも言及した。他の報道では、イスラエル~アブダビ間の直行便は早ければ数週間内に就航する見込みとする、アラブ首長国連邦(UAE)訪問に同行したイスラエル外務次官の談話も掲載された。

これに関して、一部報道(「グローブス」9月2日)によると、サウジアラビアは、イスラエルとUAE間を飛行する全てのフライトについて、同国の領空を通過することを許可したという。報道では、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が9月1日にクシュナー米国大統領上級顧問と面会した後、同国の民間航空管理局に対して、イスラエルを発着する航空便の領空通過を認めるように指示を出したとされている。

イスラエルとUAE間のフライトについては、既に8月31日に米国政府とイスラエル政府の高官を乗せたエルアル航空初の直行商業便がサウジアラビア領空を通過してイスラエルからUAEへ運航している(2020年9月2日記事参照)。サウジアラビアの今回の措置は、イスラエルとUAEの国交正常化に対するサウジアラビアの今後の対応を占う上で大きな一歩になると同時に、バーレーンやオマーンなど他の湾岸アラブ諸国とイスラエルとの関係改善に向けた動きを加速させる可能性もある。

(吉田暢)

(イスラエル、アラブ首長国連邦、サウジアラビア)

ビジネス短信 98ccbe94a9ee09e6