国家公務員の出勤と在宅シフト制導入、行政サービスの遅延・停止に不安の声

(ミャンマー)

ヤンゴン発

2020年09月16日

ミャンマー政府は新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、課長補佐級以下の国家公務員に対し、9月15日から2週間ごとに出勤と在宅勤務を交代する勤務態勢を導入すると発表した。新規感染者数が連日100人を超え、政府高官など公務員の間でも感染が確認されたため、より厳格な感染拡大防止措置導入に至った。政府は今後2~3週間が感染抑制の正念場だとして、国民に協力と理解を求めているが、ビジネスの現場では政府や公共のサービスが受けられるか不安が広がっている。

3月に国内初の感染者が確認されて以降、国家公務員は隔日勤務となり、出勤比率では半数が在宅勤務だったが、感染の終息が見えた6月から通常の勤務態勢に戻っていた。しかし、8月下旬からミャンマー西部のラカイン州で市中感染が発生したことを発端に、ヤンゴンなど大都市でも市中感染が増加していることを受け、9月9日に隔日勤務態勢を再導入していた。

行政サービス低下よる経済への影響が懸念

政府の勤務態勢変更により、行政サービスの質の低下やそれに伴う経済への影響が懸念される。これから日本向け冬物商品の出荷ピークを迎える日系縫製業や、同商品の輸送を担当する日系物流業の間では、通関遅延などのトラブルが発生した場合に「勤務態勢を縮小した関係当局に対応してもらえるのか」という不安の声が上がっている。また、国家公務員の在宅勤務に必要なノートパソコンなどの通信機器は政府から付与されておらず、企業とのコミュニケーション手段にも課題が残りそうだ。

車両登録を受け付ける道路運輸管理局は9月12日、翌々日の14日から当面閉鎖すると突然発表した。同局が閉鎖している間は、国内で生産される自動車の新車登録ができない。同局は3月下旬から5月上旬にも閉鎖し、当該期間中は新車登録ができず、自動車ディーラーの期間中の売り上げは皆無になった。

(クントゥーレイン)

(ミャンマー)

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