オーストラリアへの中国投資、2019年に前年比で半減

(オーストラリア)

アジア大洋州課

2020年09月17日

オーストラリア国立大学(ANU)は9月14日、2019年の中国からのオーストラリア向け直接投資が前年比47.5%減の24億9,900万オーストラリア・ドル(約1,900億円、豪ドル、1豪ドル=約76円)に減少したと発表した。

ANUが発表した中国投資データベースによると、オーストラリアへの中国の直接投資は2016年に過去最高の158億豪ドルに達し、その後3年連続で減少が続いている。2014年から2019年の6年間で361件の取引があり、493億豪ドル相当の直接投資が行われた。6年間の直接投資の部門別内訳としては、不動産部門(構成比24.1%)が最も多く、次いで、鉱業(21.4%)、製造(12.6%)となった。件数を金額規模別にみると、0~1,000万豪ドルが96件(構成比26.6%)と最も取引件数が多く、次いで、1億豪ドル以上が93件(25.8%)、1,100~2,000豪ドルが52件(14.4%)となった。

2019年の中国から世界への投資自体が減少した中、オーストラリアへの投資の減少はより急激なものとなった。2019年は前年と比較して鉱業や不動産、商業用不動産、製造業、農業への投資が大幅に落ち込んだ。建設、教育、金融・保険では若干の投資額増加が見られた。

ANUは、オーストラリアへの中国の投資の急激な減少は、中国の投資が新興・途上国市場にシフトしたことや、中国にとってオーストラリアの投資環境がネガティブに映っていることなど、多くの要因に関連している可能性があると指摘している。

(坂本未侑)

(オーストラリア)

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