ソルベイ、重要な原材料の資源効率化のためのパートナーシップをヴェオリアと締結

(ベルギー)

ブリュッセル発

2020年09月17日

ベルギー化学大手ソルベイは9月9日、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池に使用される重要な原材料をより効率的にリサイクルするため、資源管理の最適化や環境・エネルギーサービスを提供するヴェオリア(フランス)とパートナーシップを締結したと発表した。

ソルベイは発表の中で、世界のEV流通台数が2020年の800万台から2030年には1億1,600万台に達すると見込まれる中、バッテリーの原材料の安定供給は戦略的な課題だが、EVのバッテリーで使用されている原材料は現在、最大限に再利用されてはいないとしている。ソルベイとヴェオリアは、使用済みバッテリーの回収から解体、金属の抽出、精製といったバリューチェーンの各段階における最良の技術とスキルを連携して有効利用するため、自動車メーカーや電池セルメーカーと既に活発に議論を交わしている。今回のパートナーシップでのソルベイの役割は、コバルトやニッケル、リチウムなどの重要な金属の抽出と精製方法を最適化し、バッテリー用に高純度の原材料に変換することだ。

ヴェオリアのフレロ最高経営責任者(CEO)は「EVバッテリーのリサイクルとバッテリーに含まれる有害物質の管理が環境面、産業面でも大きな課題となっている。ヴェオリアとソルベイの提携によって、バッテリーのリサイクルのためのバリューチェーン開発と、新たなバッテリー生産に向けた戦略的な原材料の生産開発の後押しができる。現在、バッテリー用の必要不可欠な原材料は輸入に頼っているが、近い将来、欧州域内で再生産されるようになる」とコメントしている。

なお、EUでは域内での供給強化を目指し、2020年第3四半期(7~9月)中に欧州原材料アライアンスの立ち上げを予定している(2020年9月4日記事参照)。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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