サイバーデーのeコマース売上高、前年比42.6%増で過去最高を記録

(チリ)

サンティアゴ発

2020年09月11日

チリのサンティアゴ商工会議所の9月4日の発表によると、同商工会議所主催の電子商取引(EC)促進イベント「サイバーデー」における売上高は、前年比42.6%増の3億6,800万ドルと過去最高だった(添付資料の図1参照)。サイバーデーは、国内最大級のECイベントで、期間中はさまざまな出展製品がセール価格で販売される。前年までは5月に開催されていたが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、8月31日から9月2日までの3日間に日程を変更しての開催となった。

サイバーデーは、年々その規模を拡大しており、2020年は過去最高となる568の企業と業界団体が出展し、イベント中の取引件数は前年比2倍超の410万5,000件に達した(添付資料の図2参照)。売上高についても、5年前の2015年に比べて約5.5倍の規模にまで拡大している。製品カテゴリー別にみると、新型コロナウイルス感染拡大で大きな打撃を受けた産業において特にイベントによる売上高の増加が顕著で、観光・旅行業では通常時の6倍、家庭用電化製品は10倍、自動車や不動産業は15倍にまで売り上げを伸ばしている。

今回、ここまで売上高が増加した要因としては、新型コロナウイルスによる影響が大きい。政府が課した外出規制や、ショッピングモールなどの商業施設の営業制限により、従来、ECサイトを利用したことのなかった消費者をイベントの参加者として引き込めたこと、労働者の大幅な収入減により、イベント中にセール価格で販売される出展品購入の需要が高まったこと、などが主な要因として挙げられるだろう。ほかにも、確定拠出型年金(AFP)の積立額の一部引き出し(2020年8月4日記事参照)が可能となったことにより、消費者がこの引き出し金を買い物に使用したことなどがある。

(岡戸美澪)

(チリ)

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