エチオピア暦の新年、国家非常事態宣言が終了か

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年09月16日

エチオピアでは、新型コロナウイルス感染拡大防止を目的として4月8日から有効だった国家非常事態宣言(2020年4月13日記事参照)が当初の期限どおり5カ月で終了したとみられている。9月13日時点でエチオピア政府から公式発表はないものの、延長の発表もされていない。現地の外交団やビジネス関係者、弁護士事務所などは、いずれも非常事態宣言は終了したとの見解を非公式に示している。

エチオピアで初めて感染者が確認されたのは3月13日。6カ月経過した9月13日時点の累計感染者数は6万4,301人(死者数1,013人)となっている。8月には、国を挙げて1カ月間のPCR検査強化月間を開始したため、連日1,500人前後の新規感染者が確認されていた。しかし、直近では検査強化月間の終了に伴い、1日当たりの検査件数が減っており、新規感染確認者数も減少している(注)。

9月11日には、エチオピア暦2013年の新年を迎えた。これに先立ち政府は、アディスアベバ市から州境を越えるバスが座席と同数の乗客を乗せて営業できるようにするなどの制限緩和措置をとった。しかし、首都で就業する人の中には、例年と違って、帰省を控えるといった事例もある。テレビ局の中には、新年を迎える買い出しの人との接触低減に着目し、テレビショッピングを始めたところもあった。新型コロナウイルスは、エチオピアでも人々の行動に変化を生んでおり、今回は「特別な正月」となった。

(注)検査数と感染確認者数の相関係数は0.95と極めて高い。9月13日の新規感染確認者数413人。1日当たり500人未満となったのは8月5日以来のこと。

(関隆夫)

(エチオピア)

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