フォン・デア・ライエン委員長、マクギネス欧州議会副議長を欧州委新委員に提案

(EU、アイルランド)

ブリュッセル発

2020年09月09日

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は9月8日、アイルランドの新たな欧州委委員としてメイリード・マクギネス欧州議会副議長を、欧州議会とEU理事会(EU閣僚会議)に提案すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは8月のフィル・ホーガン前委員(通商担当)の辞任(2020年8月28日記事参照)に伴うもので、アイルランド政府は新たな委員候補として、マクギネス氏ら2人を推薦していた。

EUの行政執行機関に当たる欧州委は、委員長を含む27人の委員(27加盟国から1人ずつ)の合議体(内閣に相当)によって構成されている。辞任したホーガン前委員がアイルランド国籍者だったことから、後任はアイルランド国籍者から任命される。今後、マクギネス氏は、欧州議会との協議を経て、EU理事会によって正式に委員に任命される見通し。順調に委員に任命されれば、同氏は金融サービス・金融安定・資本市場同盟を担当する。それに伴い、ラトビアのバルディス・ドムブロフスキス上級副委員長(経済政策総括、金融サービス・金融安定・資本市場同盟担当、通商暫定担当)は経済政策総括と通商担当を兼任する。

欧州議会議員としての豊富な政治経験に期待

今回推薦されたマクギネス氏は、ホーガン前委員と同じく、統一アイルランド党(欧州議会では欧州人民党グループ)所属の政治家だ。2004年に欧州議会に初選出され、現在で4期目。欧州議会では農業・農村開発委員会などに長年所属しており、2014年からは欧州議会副議長も務める。

フォン・デア・ライエン委員長は「マクギネス氏のEUレベルでの豊富な政治経験は、EUの財政分野の政策課題の推進や、デジタル化やより環境に配慮した経済への移行といった委員会の優先政策の強化にとって、非常に重要だ」と評価している。

(吉沼啓介)

(EU、アイルランド)

ビジネス短信 4d989436362ad2a1