第52回ASEAN経済相会合の主要成果

(ASEAN、ベトナム、タイ)

バンコク発

2020年09月02日

ASEAN各国経済相は8月25日、第52回ASEAN経済相会合をオンライン会議形式で開催した。議長はベトナムのトラン・トゥアン・アイン商工相。26日に出された共同メディア声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記載の各経済統合分野の主要成果は以下のとおり(添付資料表参照)。

(1)物品貿易

  • 原産地自己証明制度:9月20日から、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)に基づく原産地の自己証明制度がASEAN10カ国で導入。従来は第三者証明制度として、「フォームD」と呼ばれる紙、もしくは電子媒体での原産地証明書の発給が行われていたが、新たに各国で認定された輸出者に限り、自己証明の選択肢が追加されることとなる。
  • 認定輸出者(AEO)制度:2019年12月にフィリピンがAEO制度を導入。先行導入しているブルネイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国間では、2023年までのAEO制度自体の相互認証(MRA)制度構築を目指す。
  • 基準の相互認証措置(MRA):自動車製品の型式認証にかかるMRA交渉が妥結、署名待ちの状態となったほか、自動車、電気電子など、分野ごとにASEANで進めているMRAの枠組みを規定しているASEAN相互認証枠組み協定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの改定作業を完了。

(2)サービス貿易

  • ASEANサービス貿易協定(ATISA):2020年内の署名完了を目指す。また、ATISAで定められている期日に従い、現状ASEANで約束している自由化分野をさらに深掘りし、ATISAの留保表(ネガティブリスト)作成作業に反映させることを促す。
  • ASEAN資格参照枠組み(AQRF):各国で国の教育資格制度とAQRFとを比較するレポートを作成し、それを10カ国でつくることで、教育資格の相互比較、有資格者の域内移動円滑化を目的とするもの。これまでレポートを作成したフィリピン、マレーシアに加え、2020年にはインドネシアとタイがそれぞれの国のレポートを採択。

(3)投資

  • ASEAN包括的投資協定(ACIA):対象自然人の明確化を図った第2改定議定書、タイの外国人事業法に基づくACIAの適用除外項目の削除を定めた第3改定議定書が、それぞれ2020年6月18日に発効。また、WTOで定める貿易関連投資措置(TRIMs)を上回る自由化措置を定めた第4改定議定書についても、2020年7月15日に署名。

(蒲田亮平)

(ASEAN、ベトナム、タイ)

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