香港政府、経済対策第3弾を発表

(香港)

香港発

2020年09月24日

香港政府は9月15日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が継続する中、引き続き防疫体制を強化するとともに、経済的に大きな打撃を受けている企業や個人を支援するための経済政策「防疫抗疫基金」第3弾を発表した。総額は240億香港ドル(約3,360億円、1香港ドル=約14円)。第1弾の300億香港ドル、第2弾の1,375億香港ドル、2020/2021年度(2020年4月~2021年3月)予算案に盛り込まれた1,200億香港ドルと比較すると規模は縮小したが、政府は各措置を通じて、コロナと共存しながら早期の経済回復を目指すとしている。

発表された「防疫抗疫基金」の内容とその他の措置は、以下および添付資料のとおり。

1.「防疫抗疫基金」

(1)防疫能力の向上(約130億香港ドル)

  • 新型コロナウイルスワクチンの調達。
  • 冬季のインフルエンザ流行と新型コロナウイルスの再流行に備え、病院管理局を支援。
  • 検疫施設の拡張、検疫センターの新設。
  • 食品環境衛生署管轄の街市(マーケット)における非接触型決済の導入拡大。

(2)個人、業界支援(約45億香港ドル)

  • 失業者支援スキームを2021年5月31日まで6カ月延長。
  • 政府の防疫措置により影響を受けた業界に対する支援(添付資料参照)。

(3)政府関連施設入居者への賃料補助

  • 政府管理物件などに入居するテナントの75%賃料免除などを延長(約50億香港ドル)。
  • 香港サイエンスパーク、サイバーポートなどの入居企業に対する賃料減免(約10億香港ドル)。

2.「中小企業融資担保スキーム」の改善

政府100%融資保証につき、借り入れ上限を400万香港ドルから500万香港ドルへ、返済期限を3年から5年へ拡張する。

財政赤字は3,000億香港ドルへと増加か

香港政府のポール・チャン(陳茂波)財政長官は「2020/2021年度予算は3,000億香港ドルの赤字となる可能性がある」としつつ、「政府の社会、企業、市民支援は適切なものだ。防疫措置を適切に実行して感染の再拡大を抑え、もし再拡大しても迅速に対応し、社会経済活動を速やかに回復させることが最も重要なことだ」とコメントした。

(渕田裕介)

(香港)

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