タイ中銀、2021年の経済見通しを下方修正

(タイ)

バンコク発

2020年09月30日

タイ中央銀行(BOT)は9月23日、金融政策委員会を開催し、政策金利を現状の0.50%に据え置くと発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した(賛成:7、反対:0)。金利の据え置きは3会合連続。また、2020年と2021年の経済見通しを公表した。

発表によると、BOTは2020年のGDP成長率予測について、6月時点の予測(マイナス8.1%)からマイナス7.8%へと、わずかながら上方修正した。第2四半期(4~6月)のGDP収縮幅が当初の予想を下回ったことなどを主な要因として挙げた。その中で、個人消費と民間投資の国内需要については、労働市場が依然として脆弱(ぜいじゃく)であるものの多少の改善を予測。他方、雇用と世帯収入は依然として弱く、回復には一定程度の時間を要するとし、今後、家計の債務返済能力の低下を通じて個人消費に影響を与える可能性があるとの見方を示した。

さらに、BOTは2021年の経済見通しについても言及。同年のGDP成長率予測を6月時点での予測(プラス5.0%)からプラス3.6%へ下方修正した。主に、外国人観光客の回復が見込めないことが減少の要因だ。6月時点では、2021年の外国人観光客数を1,620万人と見積もっていたが、今回の見通しでは900万人に大幅に削減した。新型コロナウイルスの影響は予想以上に深刻で、外国人観光客の回復が遅れるため、タイ経済がコロナ前の水準に戻るには、少なくとも2年はかかるとしている。

BOTは、引き続き現在の低金利政策を継続、経済の下支えを行うとともに、金融機関は家計や企業の債務再編を促すべきだとしている。

(岡本泰)

(タイ)

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